Classic tailoring 15. / Classic Summer Trousers





TAILOR CLASSIC   
21st Century
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「CLASSIC SUMMER TROUSERS」
サマートラウザーズの愉しみ


「クラシック」に「クールビズ」というのはありませんが、「サマートラウザーズ」の愉しみというのはあります、
この「サマートラウザーズの愉しみ」は、やはりウインザー公が広めたといえるでしょう、公は思いのほかカラフルで、様々な素材の「サマートラウザーズ」を仕立てて愉しんでいます、

公の「サマートラウザーズ」のコレクションは、その時代においては、かなり先鋭的でした、今でこそ、このカラフルなチェックや、ジュエリーカラーには、驚きませんが、ウインザー公の時代と、そのクラスを考えるといかに、衝撃的だったかが、推し量れます、



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「クラシック サマートラウザーズ」は、その美しい色と、快適な素材感を愉しむものです、毎年、1~2本づつ「とっておきの素材」を探して、コレクションしていくのも自分だけのワードローブをつくりあげる「愉しみ」だと思います、そして、生涯、そのコレクションを愉しみながら、愛用すべきなのは云うまでもありません、

ワードローブというのは、生涯、愛用するのだと覚悟すれば、何をどうやって揃えていくのかは、少し、はっきり見えてきます、



「CLASSIC SUMMER TROUSERS」




私は、常々、スーツばかりでなくオフシーンのものこそ「ビスポーク」で仕立てるべきだと考えています、

それにはハッキリとした理由があります、先ず着心地、とくにビスポークで丁寧に仕立てられたトラウザーズは全く別物だと思います、

人間の脚ほど各人各様、ひと様々なものはありません、街で見かける人のトラウザーズでまっすぐに落ちているのが稀なのを思い浮かべてみればそれは分かると思います、
我々は、とかく上着の仕立てばかりに目が行き勝ちですが、私の経験では、上着と同等か、或いはそれ以上にトラウザーズのストレスというのは大きいと思います、


ファッションのコンセプトは「大きめ」か「小さめ」です、人それぞれに合わせて、ひとつづつ仕立てていくというのは、それとは別次元です、

そして、シルエットの美しさ、それは着心地と関連していますが、とくにオフシーンでは、シャツやセーター姿になるときも多く、また、ジャケットやブレザー姿においても、スーツと違って、同素材という目の錯覚でプロポーションの崩れをごまかすことはできません、


ウインザー公のオフシーン姿も美しかったのは、それがちゃんと身体に合わせて正しいプロポーションで仕立てられていたからに他ありません、

「スーツ姿はまだしも、オフシーンが格好悪い」と良く言われるのは、同素材で、まがいなりにも着丈のバランスを合わせたスーツと違って、プロポーションの崩れが目立つことにも、実はその理由があるように思えます、


「CLASSIC SUMMER TROUSERS」




「サマートラウザーズ」のコツは、「凝った」素材を選ぶことです、これからの季節を思い切り愉しんでヤルぞというぐらいに、、、ただし、クラシックな仕立てで、、




CLASSIC SUMMER TROUSERS The Look Book


Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_13262383.jpgEnglish
"blue" super120`s & Cashmere


贅沢な光沢を持つ、独特の美しい「青」、糸が良く、タイトにも織られていて申し分なく手持ちの「青」の部類では最も美しい生地のひとつといえるでしょう、

この時代の英国のsuper120`sは、しっかり織られた生地としての信頼感と、絹のような光沢をみせる贅沢さがあって、やはり魅力です、優れたものは、super150`s とかそれ以上の高番手のものより、ある意味では良いと思えます、好みでもあります、

私が、とくに高番手のものに関して、どうしても英国の生地に限ってしまうのは仕立てて永年愛用してみると分かりますが、その「質」にあります、やはり、これは違うと実感します、

この「super120`s&カシミア」が出始めたとき、その絹のような光沢をもつ贅沢な質感に眼を奪われたことを覚えています、実際、遠目で見たそれをシルクなのかと店の人に尋ねたことがあるぐらいです、「いままで見たことがない上質」というのがあり、それは既製品で使われる生地とは全く別次元のものでした、

当時は、このsuper120`s&カシミアを中心に、それに、チンチラやミンクをあわせたコンポジションのものなど、今まで見たことのないような実に上質な英国の生地が次々に現れて、夢中で買いあさったものです、当時のそういう生地は、かなり贅沢品でしたから、共通した「質」というのがありましたが、
いまや、同じsuper120`sでも生地によって全く質が異なります、

それがどうしてなのかと考えたとき、糸や織りが違うということもあるのでしょが、考え方そのものが違ってきたように思います、それからドンドン番手の高さに向かって技術は進んだでしょうが、当時の例えばsuper120`sを中心にいかに魅力のある、贅沢な生地を織っていくかというような生地の本質的な「愉しさ」、ワクワクしたものが時代とともに失われていったような気がします、


「英国製 super120`s&カシミア
”BLUE” ビスポーク サマートラウザーズ」
(仮縫いつき、フルハンドメイド)     ¥85000(税込み¥89250) 






Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_14151521.jpgEnglish
"biscuit beige " super120`s
small self checked worsted


同じsuper120`sでも、こちらはもっとドライな表情で、いかにもこれからの季節に快適そうです、

ビンテージの良い生地は、やはり少なくなったといわざるを得ませんが、それでも、様々な生地が織られているのには今さらながら驚きます、ダークネイビーのピンストライプばかりでなく、この幸いは、もっと「愉しむ」べきだと思います、既製品にはない様々な上質な「生地」を愉しむことはビスポークだけの愉悦です、

この生地は、微妙な色だしの「ビスケット ベージュ」が美しいと思います、良く見るとサブデユードのセルフチェックになっていて、実に上品な「薄さ」があります、

ドライに仕上がっていますが、super120`sの糸が良く、タイトに織られて「腰」があるのに、滑らかな柔らかさがあります、ここが、この生地の優れて上質で珍しいところです、柄も含めて、この質は「良く知っている人」向けの生地だともいえます、

実際、こういう生地は貴方が思っている以上に珍しいのです、
自分が春夏の快適な生地を織らせるとしても、なかなか思いつかない「玄人」の仕事だと思います、しかも、上品な「テイスト」があります、

ここが、何世紀も経た英国の生地の奥深さで夢中になるところです、モノによっては非常に優れた美しくも、味のある生地があります、その反面、こんな玄人好みがそんなに「売れるのか」とこちらが心配してしまうような生地さえ少なくありません、(ただ、これは、やはり昔のことですが、、)


「英国製 super120`s
”biscuit beige ” ビスポーク サマートラウザーズ」
(仮縫いつき、フルハンドメイド)     ¥85000(税込み¥89250) 








Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_1318527.jpgSwiss
"HoundTooth"
pure Linen


夏のリネンにしては厚手のしっかりしたハウンドツースです、ハウンドツースのトラウザーズは、クラシックトラウザーズの定番ともいえるものですが、柄の細かさ、大きさが大切で、良いものを探すのに意外に苦労します、

このハウンドツースは、柄の大きさとBlack&whiteなのが良いと思います、これぐらいの大きさの柄が、オフシーンのトラウザーズとしては味わい深く、何とでも合わせやすいものです、
このウエイトも、かえって皺が寄り過ぎないで、男のトラウザーズとしての信頼感を醸し出すと思います、

私は、スイスで織られたリネンを蒐集したことがありますが、やはり、アイリッシュリネン(この「アイリッシュリネン」については後述)とも違います、先ず、織りが凝っていて、繊維の長い良い糸を3plyや4plyにしたものに良いものがあります、

スイスの織物は、日本人の気質といえる「肌理の細かい」仕上げへの嗜好といったものに合っているような気がします、

往年のスイスコットンもそうですが、見た目で納得する「品の良い上質さ」を持っています、そして正確さがあります、イタリアのものとも違います、これ見よがしの表面主義とは違う、余計な加工のない「上質」が、優れたものにはあって割と好みです、スイスのウールにも良いものがあります、デザインは英国に比べると少し繊細です、



「スイス製 ピュアリネン 少し厚手
"HoundTooth"  ビスポーク サマートラウザーズ」
(仮縫いつき、フルハンドメイド)     ¥85000(税込み¥89250) 





Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_2253374.jpgScottish
"Summer Tartan "
Linen & Worsted


実に味わい深い色具合の「サマータータン」です、
上品で洒落ていると思います、
リネンにウールが組み合わさっているので、アイロンワークも出やすく、リネンの爽やかさとともに、皺の心配も少なく、使いやすさがあると思います、

一言に「リネン&ウーステッド」といっても、生地によって違うのは当たり前です、
このリネン&ウーステッドは、リネンとウールの混ぜ具合、織り方がちょうどバランスが良いと思います、感じる質感としては、ややリネンよりでそれが生地感を愛せて、仕立てるとウールの良さが出ます、
ゆっくりと織られた古い織機ならではの密な質感と、発色の良さがあります、とくに非常に、美しい色だしだと思います、

こういうリネン&ウーステッドは、いざ探し当てるとなると、意外にまた苦労します、これは、信頼感のあるバランスの良い生地としての良さがでていると思います、






「スコットランド製 リネン&ウーステッド
"Summer Tartan"  ビスポーク サマートラウザーズ」
(仮縫いつき、フルハンドメイド)     ¥85000(税込み¥89250)







Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_2256080.jpgScottish
"Black check "
Linen & worsted


この「ブラックチェック」は、ズイブン昔のリード&テーラーのハイツイストのウーステッドなどでも見かけましたから、意外にトラデショナルなカントリースタイルなのだと思います、

今、見ると「カントリー」というよりは、もっとモダンな印象を私は受けます、トラベルコートやスポーツコートに仕立てたことがありますが、ホントはちょっとヴィクトリアンな「バニー・ロジャー」が愛用していたようなクラシックなスーツに仕立てても面白いんじゃないかなと常々気になっています、

柄としても、派手なように見えてブラック&ホワイトなのが、何にでも合わせやすく、トラウザーズにすると不思議にモダンでシックな表情を見せます、

実際、仕立てると「パリのクラッシック好き」というような雰囲気が出てきます、例えば、60年代の英国のレインコートのような、丈が少し短くて、ストームタブで衿まで止められるシンプルなトラベルコートなどをつくると、モダンでシックな「クラシック」という雰囲気がでて面白いと思います、
この場合、トラベルコートというよりは、セーターのようにどこにでも羽織っていって愛用すると良いんじゃないかなと思います、


上のリネン&ウーステッドと同様、バランスの良い生地で、適度なウエイトもあり、非常にタイトに、クラシックなエステイトツイードのように斜め63度の綾で織られています、そのタイトさと古典的ともいえる「織り」が、仕立てると他とは違う「質」として現れてきます、柄の構成、ラインの組み合わせも申し分なくクラシックです、

「スコットランド製 リネン&ウーステッド
"Black Check"  ビスポーク サマートラウザーズ」
(仮縫いつき、フルハンドメイド)     ¥80000(税込み¥84000) 限定3着







Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_2311857.jpgScottish
"Summer Tartan "
pure Linen


しっかり織られた、先染めのピュアリネンのサマータータンです、このリネンは繊維の長い良い糸で織られています、

「アイリッシュリネン」という呼称がありますが、現在ではアイルランドでリネンの原料となるフラックスは生産されていません、

(高級リネンの代名詞として「アイリッシュリネン」が、何故定着したのかは分かりませんが、多分、「麻」素材という意味ではなく、テーブルクロスなど高級ハウスリネンとしてアメリカへ輸出され米国内でシェアを持っていたことから、そうなったのかもしれません、実際に織っているミルが集まっているのも、北アイルランドなので正確に言えば、アイルランドではなく、イギリスです)



これは、フランドル(フランダース地方)フラックス(17世紀以前の昔より、この地域のフラックスは高品質とされている)をスコットランドで紡ぎ、古典的なミルの古い織機で織られたものです、

なにより、これは糸が良いと思います、生地の良さは糸の良さでほぼ決まってしまいます、繊維の長いものは原料となるフラックスのなかでも、その量は限られています、そういうものはケバも少なく、太さも均一です、

この生地は良く見ると、生地のミミが切られていることに気付きます、これが古典的なミルのリネンの処理の仕方で、ミミが切られているのは、ゆっくりと織られる古い織機だからこそできる処理の仕方なのです、この処理されたヘムのことを「サルヴェイジド ヘム」(「救助」されたヘム、なんとなくニュアンスは分かります)と呼んでいます、




「スコットランド製 ピュアリネン
"Summer Tartan"  ビスポーク サマートラウザーズ」
(仮縫いつき、フルハンドメイド)     ¥85000(税込み¥89250) 




Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_2385474.jpgScottish
"Summer Tartan "
pure Linen


これも、良い糸で織られた実にシックな色だしのサマータータンです、少し、パープルがかった柄が美しいと思います、

上のタータンと同じく、古い織機で、ゆっくりタイトに織られています、このミルはリネンの糸づくりがうまいと思います、柄も、スコットランドらしい、クラシックなものを手を抜かないで織っています、

このタータンは、縦のラインを強調することによって、仕立てたときの納まりをよくしています、




「スコットランド製 ピュアリネン
"Summer Tartan"  ビスポーク サマートラウザーズ」
(仮縫いつき、フルハンドメイド)     ¥80000(税込み¥84000) 限定3着







Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_225745.jpgAmerican
Vintage Seersucker
multi colour striped Cotton


ウインザー公好みの、60年代~70年代の凝ったカラフルなシアサッカーです、
仕立てると、黒のラインが効いて、カラフルなわりには意外に納まりが良く、上品にさえ思えます、


Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_2258437.jpg 実際、この生地を探すのには苦労しました、

60年代~70年代のアメリカには、なかなか良いカラフルなシアサッカーや、バテイック柄など面白いものがあって、一時、蒐集しようとしたのですが、やはり良い生地として残っているものは稀です、
いわゆるブルーなどのストライプのシアサッカーは今でも生産され(ほとんどはイタリア製ですが)ていますが、カラフルで仕立てて良い具合に納まるものは探してもなかなか見つかりません、

クロンプトンコーデユロイもそうですが、30年代、そして50年代から70年代半ばまでは、コットンの織物では良いものがアメリカにはありました、

このシアサッカーも、そのひとつで、古い織機で織られたのでしょう、織りがなかなか凝っています、そして何より、コットンの質がしっかりもしていて、実に「冒険心」を誘う、良い生地だと思います、






「アメリカ製 ビンテージ
”Seersucker ” ビスポーク サマートラウザーズ」
(仮縫いつき、フルハンドメイド)     ¥85000(税込み¥89250)





Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_22591410.jpgEnglish
Glenurqohart
silk & linen


夏のスーツでも良いかなと思わせるシルク&リネンです、
ちょっとクリスピーな、面白い質感をしています、

なによりリネンの質が非常に良い、むしろ、あえて襟付きのウエストコートを合わせて夏のクラッシックな3ピースに仕立てれば、ホワイトリネンの3ピースに勝る極めてエレガントで涼しげなスーツになるなあと想像してしまいます、多分、そういうつもりで手に入れたんだろうと思います、


非常にデリケートに淡い、このベージュとクラシックなグレナカート柄の組み合わせ、そして極めて質の良いシルクとリネンで古典的に織られた質感が面白く稀で、美しい生地だと思います、或る意味で、春夏の生地としては秀作といえます、

リネン&シルクはツイード調に織られることが多いのですが、これはチョット変わっています、クリスプなのですが、糸が良いのでしなやかで、良いドレープを見せます、そして、グレナカートというのが実に珍しい、薄いベージュというのも上品です、

モンテクリストのパナマとか、ホワイトデイアスキンのコレスポンデントシューズが似合いそうです、



「英国製 ビンテージ SILK&LINEN
”Glenurqohart ” ビスポーク サマートラウザーズ」
(仮縫いつき、フルハンドメイド)     ¥85000(税込み¥89250) 






Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_2301574.jpgFrench
"PINK"
Extrafine Merino wool


「フランス」のドミュール(ドーメル)の80年代のものです、
極めて良い、先染めのピンクのメリノウールで織られています、
ドミュールは、フランスと英国のふたつがあって、ロンドンの生地問屋は当然、英国びいきですが、これは良いメリノウールだと思います、




「フランス製 エクストラファイン メリノウール
”Pink ” ビスポーク サマートラウザーズ」
(仮縫いつき、フルハンドメイド)     ¥85000(税込み¥89250) 









Classic tailoring 15.  /   Classic Summer Trousers_b0151357_2163953.jpgEnglish
"Navy Mohair "
& superfine worsted


これは、チョット変わっています、ネイビーの非常に上質なモヘア&ウーステッドですが、同色の「星型」の模様が浮き上がっている凝った織りになっています、
英国製ですが、パリの某クチュールメゾンがオートクチュール用に70年代に織らせたものです、生地感は少しザックリしています、



「英国製 ビンテージ モヘア&ウーステッド
”クチュール ” ビスポーク サマートラウザーズ」
(仮縫いつき、フルハンドメイド)    price P.O.A. 
















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by tailorrikughi | 2009-04-22 03:11 | 15.Summer Trousers
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