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Classic Tailoring / RIKUGHI House Style Ⅲ






TAILOR CLASSIC   
21st Century
Elegancy


Art&ClassiC

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「 ハウス スタイル Ⅲ 」
title copyright 2009 MOMOTOSEDO, Ryuichi.Hanakawa.
Tailor did、、、、

結局、私が望んでいたスタイルは、世界のどこにも無いだろうということに、それを探し求めて、さ迷うほどに私は気付いていきます、

生来の「研究」好きなのか、70年代前半あたりから私は、自分の好きなスタイルについて「研究」し始めます、当初は、自分が格好良いと思う、写真やイラストを集めることに夢中になり、次には、昔日のダンデイたちに心奪われ、その足跡を辿り、その結果、「クラシック」な装いというのに突き当たりました、


暮らしや仕事の合間に「研究」し続けていたので、そのペースも割りといい加減です、ただ、ダラダラと興味の赴くまま右往左往、寄り道や路地裏に迷い込むままにタップリと時間をかけていたのが、かえって真実を探るのには良かったように今は思えます、

やがて私は、その「研究」にも自分の仕事や勉強のやり方を応用し始めます、当時は、「シンクタンク」や、ハーバードの「ケーススタデイメソッド」や、日本では梅棹忠夫らの京都学派のカード式やKJ法など、パーソナルな知的作業のためのツールの工夫というのが話題になっていた時代です、(「パソコンで検索」するという時代ではありません、)

また、英国では、遊び好きのあまり見込みがあるとはいえない学生にも、これだけは教えておこうというものがありました、
それは「歴史」です、ヨーロッパの本来の思考というのは、歴史の流れのなかでモノを捉え、考えるということにあります、これは、政治でもジャーナリズムでも同じことです、つまり、迷ったら歴史の中に模範はあり、今現在の「それ」も歴史のなかで評価さるべきものだということです、「歴史」さえ教え込んでおけば、先人の轍は踏まないだろうという楽観的にも有難い配慮です、

こうして、私は「フィールドワーク」と、「歴史」というのを軸に、人を尋ね、ものを探し、洒落た革張りのノートに幾冊もメモを記し、カードやファイルをつくり、図解し、思考しました、実に愉しい「作業」でした、

幸いにも、当時は我がジェントルメンズクラブには、そういう時代を知る長老も皮肉の効いたジョークを云えるほどには元気で、テーラーたちの横、縦の繋がりにも助けられ、金曜日のポートベローのマーケットには、昔の仕事を偲ばせるビスポークの数々が二束三文で山積みされ、オクスファム(有志が寄贈した不用品を売るチャリテイーショップ)には乗馬ブーツで知られるバウンテイングのクロコのサイドエラステイックなどが2~3ポンドで売られていました、時代と場所にも私は恵まれたと云えます、(ただ、念のために云っておくと私は、古着は一切着ません、)

私の「移動」好きにも拘わらず、幸い今も、それらのものは大切に保管しています、冒頭に述べたように、実にマイペースで「研究」していたので、例えば、或る長老とのインタビューでも装い以外に興味を持った話をダラダラとメモにしています、しかし、それが、服のデイテイールだけでなく、それを「着る」人の暮らしを偲ばせ、その装いの背景となるものを浮き彫りにもして、かえって真実に近づいていると思ったりもします、

そして、この「研究」は、「紙」からパソコン上に置き換えられましたが、今もマイペースで続けています、いつの間にか、これは私の生涯の「愉しみ」となりました、



HOUSESTYLE | BESPOKESUITS

ハウスタイルのビスポークスーツは、私が永年愛用しているものです、仕立て方は少し変わっているかも知れません、六義のテーラリングは、誤解を恐れずに一言で表すなら、極めて「テクニカル」な「ソフトテーラリング」といえます、

クラシックなビスポークスーツの本質は、身体に沿った美しいラインにあります、

ハウススタイルの説明は、実にこの一行に尽きるのですが、これを分解して紹介するには幾千の言葉を費やしても適いません、
テーラリングやプロポーションのことを話しだすと、あれもこれもと話しは尽きなくなります、

デイテイールや仕立てのテクニックに言葉を尽くすまえに、私なりに、その本質を語るのに例えばこういう説明はいかがでしょう、

ある方から頂いたメールの一文に「いくつかのところで仕立てましたが、そのフィッテイングや仕上がりは悪くないのですが、デイテイールがどうと云うより、私が思い描いていた雰囲気とは違うように思うのです、、、」とありました、これこそが私の出発点でもあります、

アトリエの「ハウススタイル」は、ここから出発した私の半世紀の履歴が詰まっています、ですから、これは「クラシック」の私なりの解釈であり、ここには半世紀の間に取捨選択した拘りが潜んでいます、










「ティラー六義」
中央区銀座一丁目21番9号
phone 03-3563-7556 e-mail bespoke@rikughi.co.jp(appointment required 完全予約制)

無断転載、画像の無断複写を禁じます。
copyright 2009 Ryuichi Hanakawa and Rikughi Co.,Ltd.

by tailorrikughi | 2009-05-16 12:57 | 18.「House Style」 Ⅲ

Classic Tailoring / RIKUGHI House Style Ⅱ






TAILOR CLASSIC   
21st Century
Elegancy


Art&ClassiC

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「 ハウス スタイル Ⅱ 」
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Tailor will、、、、

つくづく考えていくと、私がパーソナルテーラーを開いたのも、自分の望むスタイルが結局「手に入らなかった」からに他ならないと思います、

もしも、世界のどこかで、それが手に入っていればそれで満足していたのだと思います、










HOUSESTYLE | BESPOKETROUSERS 「 立体的な袋 」



ビスポーク トラウザーズは、例えば左右のお尻に違いがあれば、それに合わせて左右非対称につくられます、
それは、身体に沿った「立体的な袋」であるべきです、チクチクするようなツイードでも、下手をすると足元でひっかかりそうな繊細なウーステッド&カシミアでも、まるで絹を纏うように何のストレスもなく、心地よくストンと美しいラインを描いて落ちる、そんなトラウザーズを私は欲しいと思いました、



b0151357_1974677.jpgトラウザーズはお尻の大きさの違いだけでなく、冒頭の写真で、脹脛(ふくらはぎ)の部分のストライプが婉曲していることでもお分かりになるように、その形状にあわせ、アイロンワークで立体的に仕立てられます、

クライアントの身体にあわせ、仮縫いを重ねがらトラウザーズは立体的な「袋」になっていきます、

そして、ブレーシーズ仕様のクラシックトラウザーズは非常に柔らかいものです、




それは、着る人に心地よく、滑らかに足元に向かって「落ちる」ように、静電気の起きない、肌にすべらかな特別の裏地で腰周りから足元にいたるまで完全にフルライニングされます、

腰裏にはウエストをフラットにみせるため、趣のある絹が張られ、トラウザーズに贅沢な味わい深さを与えます、(このストライプスーツのトラウザーズに張られたシルクは、1950年代のチョットいなせな小紋柄です、)







HOUSESTYLE | BESPOKETROUSERS
「 シグネチャー スタイル 」 | 「ハーフターンアップ」と「サイド プリーツ
 



六義のハウスタイルトラウザーズには、独特な意匠があります、
そのひとつが、裾の「ハーフ ターンアップ」であり、そして裾から腰上までつづく「サイド プリーツ」です、
アトリエの「意匠」とするものは、その「仕事ぶり」を象徴すべきものだと私は思っています、
この二つの「意匠」も、手間のかかる仕事を要するもので、「飾り」に終わらない意味のある機能性と、六義というアトリエの美意識を代弁するものです、




b0151357_1991763.jpg ハーフ ターンアップ(title copyright 2009 Ryuichi.Hanakawa)は、私が色々考えた末、考案したものです、

これは、単に「飾り」ではありません、実用の意味をしっかり持っています、
クラッシクトラウザーズの美しいラインを考えれば、前裾にあまりクッションを置くべきではありません、
ただし、後裾は充分踵までの長さが欲しいものです、このためには、かなりな急傾斜を裾に持たせなければいけません、


ところが、通常の折り返すダブルカフでは、この急傾斜というのは物理的に難しく、前か後ろ、どちらかを優先せざるを得ません、その結果、せっかくのトラウザーズのラインが中途半端になってしまいます、

そこで考えたのが「ハーフターンアップ」です、


この「ハーフターンアップ」は、思っている以上に凝った手間のかかるものです、通常の折り返してつくる「ダブル」とは、全く構造が異なります、
別仕立てのターンアップを前だけにつけることにより、ダブルカフの印象を持たせながら、もたつきのないスマートさがあり、裾も急傾斜させることができます、「ダブル」とも「シングル」とも違うビスポークらしい雰囲気を持っていると思います、


今では、六義のトラウザーズのシグネチャースタイルとして、幸いにもクライアントの方からも愛されているように思います、



もうひとつの「シグネチャースタイル」が、トラウザーズのサイドを裾から腰上まで一直線に走る「 サイド プリーツ(title copyright 2009 Ryuichi.Hanakawa)です、(冒頭、或いは、「ハーフターンアップ」の写真をよく見ていただくと分かると思います、)

これは、美しいクラシックトラウザーズに少し特別な「表情」を加えたいという「想い」から考え出したものです、
プリーツのラインが、控えめながら縦の線を強調してよりスマートさを醸し出すとともに、動いたとき少しだけ開いて他のトラウザーズとは違う趣を与えます、

「プリーツ」も、「目立ちすぎない」ように特殊な仕立て方にしています、直立しているときは、ほとんど細い線としか認められませんが、腰掛けたりするとプリーツであることが分かります、

そして、プリーツの両脇には、「目立たない」ようにハンドステッチを施しています、これも、手間の要る凝った仕事です、

或る意味で、古の「側章」の代わりをイメージしています、いかにも、ビスポークらしい意匠です、














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by tailorrikughi | 2009-05-15 19:04 | 17.「House Style」 Ⅱ

Classic Tailoring / RIKUGHI House Style






TAILOR CLASSIC   
21st Century
Elegancy


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「 ハウス スタイル 」
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Tailor is、、、、



六義のハウススタイルは、開店のときに考えたというよりも、私が何十年と愛用してきたものです、

今、考えれば、その何十年の間、私は格好良く、かつ着易いものを求めてさ迷い、次第に、テーラリングのあり方をも含めて自分なりに「スーツ」というのを捉え直そうと、「検証」と「クリエイト」を繰り返し、再「デザイン」し続けてきたように思います、それは、そのスーツを実際に「着な」ければならない私にとっては当然、重要問題だったからです、


それらは、自分でも気がつかないうちに、いつの間にか独特なものになっていきました、

事実、多くのテーラーに、私の要望は「変わって」いるとかなり云われたものです、しかし、それは実際に私が「着て」、私なりのライフスタイルに役立つという実践に基づいています、
考えてみれば、残念ながら、テーラーの多くは実際にはビスポークスーツを「着て」、それが必要とされる「生活」を暮らしてきたとはいえないことに思いあたります、スタイルというのはそういう「リアル」なことから生まれるものです、ハッキリ云うとその温度差が本質的に問題じゃないかなと「スーツを仕立てる」度にいつも感じてもいました、

10数年前に東京に戻ってきて、必要からテーラーを探し歩いていたとき思ったのは、日本の極めて優れた(優れた人が限られるのはどこでも同じですが)職人さんは世界に誇れる存在だということです、
しかし、その反面、厳しく言えば「テーラー」はいないんじゃないかなとも思いました、「縫えれば」テーラーという訳には、いかないのが難しいところで、私自身が自分の欲しい服を探してさ迷い、不満を持ち続けていた理由もそこにあります、





HOUSESTYLE | BESPOKETROUSERS

ひとり、一人に合わせて仕立てられるビスポークトラウザーズは、良く出来た「袋」であるべきです、正確な表現とは云えませんが、、、

私は、トラウザーズに非常に拘りがあると云えるでしょう、特にブレーシーズ仕様のトラウザースは、私の永年愛用するものだけに、アトリエのハウススタイルでも、「仕立て方」においても、「見た目」においても最も特徴的だと思います、これは、愛用しながら改良し続けてきた結果で、私が一番現れていると思います、


極論すれば、下着をつけないで、つまり「ノーパン」で着て違和感を感じず、快適とさえ思えれば、それは良いトラウザーズだと私は思っています、






b0151357_18504125.jpgクライアントの方が、先ず、最初に驚かれるのが、
六義のハウススタイルのトラウザーズには「腰の切り替えし」がないということです、

これは、単純なものですが、「テーラーの考え」を如実に現すリトマス紙です、

既製品のベルト部分の切り替えしは、少しでも布を節約するという考えがあるのかもしれませんが、「ビスポーク」の「クラシック」なトラウザーズは、腰まで一枚の布でつくるべきものです、或る種の「クラス」では、こうするのが当たり前でした、




今では、サビルローでもこうして仕立てるところは、私の知っている限り残念ながらありません、少なくとも、70年代にはサビルローでこうするテーラーは、既に消えていました、

消えてしまったことが、何を意味するのか?それは、「クラッシック」トラウザーズ、ひいては「クラシック」スーツそのものへの明確な考えが怪しくなっていることだと思えます、


穿った言い方をすれば、それは「ウインザー公」の功罪かもしれません、 


ジッパーとベルト仕様のトラウザーズが一般化することによって、定位置で止まらないトラウザーズでは「袋」にする意味も薄れます、サビルローはこの時点で「モダン化」されました、そして70年代のスウィンギングロンドンの意識革命をきっかけとして、80年代のイタリアンデザイナーブームを経て、顧客も既製服しか知らない人が増え、テーラーさえ既製服に影響を受けだします、こうした中で、テーラーが本当の「クラシック」を知らなくなるのは当然の成り行きなのかもしれません、


腰で生地を切り返したトラウザーズは、その象徴だと思えて仕方ありません、その時点でテーラーのトラウザーズへの知識量と、考え方、ひいては、どういうスーツを仕立てるかということを現すように思えます、






「ティラー六義」
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by tailorrikughi | 2009-05-14 16:04 | 16.「House Style」 Ⅰ

The Collection / 「ストライプの研究」 1. EXECUTIVE Stripes






TAILOR CLASSIC   
21st Century
Elegancy


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「ストライプの研究」
title copyright 2009 MOMOTOSEDO, Ryuichi.Hanakawa.
EXECUTIVE STRIPES



私は、「ストライプ」を研究しています、

当初は、「100年素材」の研究にあわせて、もっと味わい深いストライプが歴史の中に埋もれているのではないかとウっかり入りこんでしまったのが何かの定め、探っていくと、なかなか興味深い意味や事実、或いは謎が潜んでいてその路地のひとつひとつに迷い込んでいます、

ストライプの起源においても、ローマ時代の真っ直ぐに伸びる道から発祥したとか真偽のほども量りきれない様々な説が転がっています、その成果は、いつかご報告するとして、


ストライプのスーツは、男の定番です、ほとんどのスーツがこのストライプで出来ているといっても過言ではないでしょう、

しかし言い換えれば、「ストライプ」というのはそれだけに奥深く、私がコレクションを始めたときも、「数多い」だけに「質」と「柄」の良さを納得できるストライプは意外に「少ない」というのが正直な印象でした、

そして、ストライプはそのあり方で様々な顔をもっています、今回は、「エキュゼキューテイヴ ストライプ」、仕事をもつ男ならば、ビジネスなどで一番着る機会の多い、少しあらたまった席にも通用するストライプを研究してみましょう、この一着があればどこへでも、シリアスな装いが要求される場面でも心配なく通用します、

合わせて、「EXCUTIVE Style」の本質というのもそろそろ考えるべきです、、、



EXECUTIVESTRIPES | PINSTRIPES

今日の、「エキュゼキューテイヴ ストライプ」の代表と云えば、私は迷わず「ピン ストライプ」をあげます、

今でこそ、保守的な印象を受ける「ピンストライプ」ですが、
b0151357_22123492.jpgストライプが男の服の代表として愛用されはじめたのは、多分1930年代になってからだと私は思います、それまでは、やはり「黒」や無地が主役でした、

たしかに、ヴィクトリアンの時代にも、右のストライプの4つボタンのスーツに身を包み、ホンブルグ帽を被ったなかなかダンデイなエドワードⅦ世などの姿も残っていますが、それは、一種の「くだけた」スタイルだったように思います、事実、エドワードⅦ世のこの1900年スタイルのスーツは「Blazer」と呼ばれていました、 


やはり、第一次大戦以前の男の装いにおいては「柄物」は公の場では控えるものでした、
第一次大戦を境に「装い」はその背景となる社会構造とともに転換し、バリエーション豊かな「柄物」もタウンスーツとして市民権を得ていきます、第一次大戦から第二次大戦までの間が今に繋がる男の装いの「モダン」なクラシックの黄金期であるところは周知の事実です、






PINSTRIPES 




いつ頃から「ピンストライプ」が、最も保守的なストライプとして認められ始めたのか、何故、チョークストライプやペンシルストライプではないのか、、、

ピンストライプの「起源」については、様々な説があります、その中で私が好きなのは、仮縫いのときの縫い目の「美しさ」に魅せられて織られたというものです、この感覚は好きです、事実、ピンストライプは縫い目のようにピンヘッドが途切れながら入っている、最も「目立たない」ストライプです、

チョークストライプ好きの私としては、味わい深いチョークでも良いではないかと思いますが、仕立てると、なるほど、ピンストライプはストライプの印象が控えめで、よりフォーマルに見えて、しかし、ストライプに違いないことは、垂直の線が全体をスッキリと印象づけ、背もすらりとして見せます、



そして、このストライプは、上品に控えめではありますが或る種の権威、「デイグニテイー」を感じさせます、それも、ペンシルストライプの細かろうが「目立って」しまうのと違って、これを選んだことの思慮深さとか、慎重さを潜ませていて、そこが特にエキュゼキューテイヴが好むところなのだと私は思います、

事実、この柄は富と権威に恵まれているが「目立つ」ことを好まない、アッパーイーストのコープに住むニューヨークの名門家系や、ヨーロッパのアッパークラスに根強いファンを持ち続けています、

そして、こういう人たちが選ぶのは、決まって「ダークネイビー」の控えめですが「最上等」のピンストライプです、その最上等の「控えめな」生地を、「最上等」の仕立てでスーツにすると云うのが「やり方」です、いかにも、「手抜かり」のないビスポークの王道です、


その「エキュゼキューテイヴ スタイル」の仕立てにも、ある種の「決まり」があります、



PINSTRIPES 



「エキュゼキューテイヴ スタイル」の仕立方については、アトリエでご説明するとして、ではこうしたスーツが「地味」かというと、(そういう仕立てであることが前提ですが、)かえってオーラーを持っています、

「ビスポークの王道」というのはそういうことです、逆にいえば、「仕立て」が要です、熟練したテーラーなら、クライアントが何を望んでいるのかは知っています、

「ダークネイビー」のピンストライプは、遠めではストライプはかすれて見えて無地に「近く」見えます、しかし、ストライプであることは「かすかに」分かります、ここが、ペンシルストライプとは明らかに、違います、ここら辺りが、この生地の上品さであり、存在価値です、

そして、「ダークネイビー」という色です、同じ呼称でも、やはり生地によって色のニュアンスは「かなり」違ってきます、、、


Vintage 1980`s English
Dark Navy Super 140`s & cashmere
`Ultimate`

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「ダークネイビー」は、かなり「黒」に近い色です、ただ、「黒」ではなく、「ミッドナイトブルー」でもありません、(写真は光の当たり方で部分によって色が違います、写真の上の辺りが、実物に近い色でしょうか)
そして、その「ダークネイビー」には「上質」を感じさせる(生地の上質さを伴った)「品格」がありたいものです、
そして、「古式にのっとた」ピンストライプであるのはもちろんです、これが、ペンシルストライプとは違う「品格」をやはり生み出します、

そうした、「理想」のダークネイビーのピンストライプを探して出会ったのが、この英国製の「super140`s & Cashmere」の「Ultimate」と名づけられたピンストライプです、



b0151357_516235.jpg80年代から90年代はじめにかけて、私は贅沢な生地に夢中になりました、

極く、私見ですが、この時代が「贅沢な生地」としては、バランスも良く、チャレンジの方向性も良かったのではないかと思います、
そういうものは、大概、super120`sから150‘sの良い糸にカシミアや、時にはチンチラ、ミンクなどを混ぜたものです、こういうコンポジションが定着し始めたのもこの頃だと思います、


この時代はまだ、仕立てのことを考えれば行過ぎた高番手はどうなのかなあ、という雰囲気が生地を扱う人にもあったように思います、事実、ロンドンの生地商の古株のお爺さんは、「贅沢なものを探すなら、super120`sの上質な生地を探した方が、服の仕立ての美しさを考えても良いと思う、
生地の光沢はsuper120`sあれば、後は同じようなものだから、」とアドヴァイスをくれたほどです、それに、当時は、super150`sまで行くと、「色」も「柄」も「織り」もやはり保守的なものになり、種類は限られていました、super120`s辺りが、バリエーションも豊富だったと云うこともあります、

この時代は、番手もsuper120`s、130`s、140`sと細かく分かれていました、「贅沢な生地」として織られましたから、糸が極めて良く、まだ古い織機でゆっくり、しっかり織られています、
この「ULTIMATE」のsuper140`sも、確かに良い糸だと思います、しっかりタイトに織られていて、仕立てに適した質ももっています、タッチはほとんど「カシミア」で、光沢の美しさが贅沢です、或る意味で美しい仕立てを愉しむには、このあたりまでかなとも思います、



「スーパー140‘s & カシミア ダークネイビー "ULTIMATE" ビスポークスーツ」
 
(仮縫付き、フルハンドメイド)
¥360,000-(税込み¥378、000-)





Vintage 1980`s English
Dark Navy Super 100`s
`Double Pinstripe`

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ピンストライプを探していて、もうひとつ面白いものを見つけました、この英国製のムーアサイドの上品な「ダブル ピンストライプ」です、ただし、このダブルピンストライプも「ダークネイビー」ですが、上の「ULTIMATE」とは色が違います、こちらの方が青があります、ピンストライプは「ULTIMATE」と同じく、古式にのっとています、なにより、繊細なダブルピンストライプと質の良いsuper100`sが上品です、



b0151357_23275131.jpg先ず、ムーアサイドというミルです、これについては、正直言って不明です、

ただ、或る時期、良い生地を探し歩いていて何回も出会ったのがムーアサイドsuper100`sというラベルのついた生地です、
どれも、糸が極めて良く、デザインも上品で、生地によってはsuper120`sぐらいの質は優にあります、

とくに、3plyの某テーラーが特注したというサマーウーステッドなどは、非常にしなやかで高い質を感じました、それ以来、私はムーアサイドを見つけるたびに、文句なく手にいれることにしました、出来る限り集めたつもりです
大分、クライアントの手元へと出てしまいましたが、この「ダブルピンストライプ」も、極めて糸の良いsuper100`sで、非常に繊細な(「ULTIMATE」より、より細かいピンストライプになっています、このダブルの細かなピンストライプをダブル ビード ストライプと呼ぶこともあります、)ピンストライプが2本合わさった、上品なデザインで良く考えられています


昔のサビルローでも、贅沢な生地といえばsuper100`sを勧めていたように思います、それは、日常使いの信頼性と贅沢感の両方が備わっているという理由からです、
70年代から80年代の、そうしたsuper100`sは実に良い質をもっています、私が知るところでは、このムーアサイドのsuper100`sのシリーズ、そして経営陣が変わる前のウエイン・シールの「サビルロー 100‘s」のシリーズは実に質もデザインも高かったと思います、ムーアサイドが糸の良さとデザインの洒脱さ、ウエインシールのシリーズはデザインはクラッシックなのが特徴で、それを質の高い糸で織り出していました、この時代の「サビルロー 100‘s」シリーズのギャバデインは秀逸です、





「スーパー100‘s   ダークネイビー "Double Stripe" ビスポークスーツ」
 
(仮縫付き、フルハンドメイド)
¥350,000-(税込み¥367、500-)








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「ティラー六義」
中央区銀座一丁目21番9号
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by tailorrikughi | 2009-05-09 13:17 | 11.ストライプの研究 Ⅰ

ファブリック コレクション






TAILOR CLASSIC   
21st Century
Elegancy


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「 Fabric Collection 」



Bepokeの愉しみのひとつは、「生地」にさ迷うことにあります、

料理に例えるならば、
「生地」は、
旬の白アスパラや、熟成された今が食べごろの特別の肉という
選び抜かれた「素材」だといえます、

色とりどりの良い糸でしっかり正直に織られた
美しいツイードや、
贅沢な重みのある光沢を見せる
古のシルクのシャツ地など
この地球上には、生涯を通じて愛することのできる
生地、素材が幸いにも存在しています、


我侭から始まった私のコレクションは、
いま思うと私の人生で、やって良かったと思える
数少ないことのひとつです、
私は美しい生地に出会うことで愉しませてもらいました、
大げさにいえば、「愉しく生きる」ヴァイブレーションをもらいました、


時代はどんどん変わっていきます、
今、そのコレクションを一からやり直せといわれても
色んな意味で、正直、難しいと思います、










1.「Vintage Ⅰ」
2. Overcoating 「ムーアハウス ブルック」
3.Country (Sports)Style Collection
4. The Shirts Silks、 Cottons
5. Vintage Design
6.「Cashmere」
7. Classic Cotton Corduroy & Velvet
8. 「100~ more vintage 」
9. Vintage Tweed Overcoat







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by tailorrikughi | 2009-05-04 17:37 | ■ファブリック コレクション

Classic Tailoring






TAILOR CLASSIC   
21st Century
Elegancy


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「 CLASSIC TAILORING 」



「ファッション」と「クラシック」、
「ファッション」が消費されていくものだとすれば、
「クラシック」は、一緒に歳を重ねていくものです、
それを「スタイル」と云い換えることもできるかもしれません、


つまり、男の服で、その「スタイル」と呼べるものは、すなわち「クラシック」な服です、
「クラシック」以外の服で「スタイル」と呼べるものを生み出す努力は幾度もなされましたが、
やはり、それは適いませんでした、


そして「クラシック」スタイルを生み出すのは「Bespoke」でしか適いません、
何故ならば、「クラシック」の本質は、身体に沿った美しいラインに他ならないからです、


これは私が、半世紀かかって実感したことです、

バブルの頃、あれほど高価だった服はすでに着られないでしょう、
その一方で、70年代後半に仕立てたイングリッシュドレープのスーツを、私は今だに愛用しています、
そこには、耐久性だけではない、何かの違いがあるはずです、


クラシック「Bespoke」は、どこに出掛けても尊敬され、着心地が良いだけでなく、
奥深い愉しみが隠されていて、創造の愉しみが夢中にさせます、
プレイドスーツなどに身を包んだウインザー公の姿を思い浮かべてください、
今、みても新鮮で、格好良さがあり、ウインザー公は何より愉しんで見えます、


クラシック ビスポークの世界は思っている以上の奥深さを持っています、
店頭に並ぶ服を「選ぶ」ということとは、別次元の、
自分だけの服をつくっていくという、
本質的な装いの愉しみが、そこに存在しています、

この愉しみは迷宮のようで、
もしかしたら、「服」以上のものを男にもたらすものだと云えるかもしれません、
そこを、さ迷ううちに男のスタイルというのが出来上がるような気がします、









「 CLASSIC TAILORING 

1.Chalk Stripe Double Breasted Suits with waistcoat
2.Double Breasted Four button Suits(Vintage worsted with horn buttons)
3.Navy Window Pane Suits with Lapeled Waistcoat
4.Blackwatch Suits with ancient double breasted waistcoat and lilac lining
5. Dark Navy Town Suits with double breasted waistcoat
6.Blue `Great Suits` with 60`s waistcoat
7.Plaid suits
8.Tartan Trews
9.Silk Dupioni & Lux Silk Wool
10.White FLannel Suits with double breasted waistcoat
11.Navy Blazer
12.Classic Summer Flannel
13.Cavalry Twill
14.Classic Gabardine
15.Classic Summer Trousers









「ティラー六義」
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by tailorrikughi | 2009-05-02 02:33 | ■Classic Tailoring