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Classic tailoring 13. / Cavalry Twill と Moleskine Trousers







TAILOR CLASSIC   
21st Century
Elegancy



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Art&ClassiC



Classic Sports Trousers| 100年素材 キャバリーツイルとモールスキン」


私はジーンズをはかない、 これは私の偏見である、或いは何でも好き嫌いなく食べられるけれどラッキョウは食べないというのと似ている、(事実、私はそう公言しているけれど、難なくラッキョウも食べられる、しかしわざわざラッキョウを食べたいとも思わない、要は美味い物しか食べたくない)、

ただ、ジーンズは見た目のリラックス感に比して、履き心地はどう考えても「心地良いリラックス」からは遠い、しかし、クラッシックのなかにも同じ様に「履き心地の悪い」トラウザーズがある、古より乗馬ズボン、スポーツトラウザーズに使われていた頑丈な「キャバリーツイル」と「モールスキン」がそれで、およそ「履き心地の良い」素材ではないが、こちらはビスポークなのでカットや仕立てでなんとか工夫もできる、


いまのところ、新らしモノ好きのウインザー公も、我々と同時代を生きるチャールズ王子も公務が暇なときはリーバイスを履いて寛いでいるという報告はない、しかし、彼らがジーンズを必要としないライフスタイルに終始しているかというと、乗馬もすれば、狩猟もし、実にまめに「ホール」と呼ばれる田舎の館に通って野山を散策している、王族はスポーツ好きなのだ、

こうした時の頑丈で身を守ってくれるトラウザーズの素材として重用されたのが「キャバリーツイル」である、「身を守る」というのは本物のキャバリーツイルを手にすれば実感できる、


キャバリーツイルのトラウザーズは、
クラッシックワードローブの「デニムジーンズ」だと思う、
しかも、
デニムよりはるかにエレガントで耐久性に優れている、


歴史をみていくと「キャバリー ツイル」は、騎士、つまり馬にのった騎兵(cavalry)の制服として使われたことに、その名の由来がある、事実、この素材はいまでも乗馬ズボンとして活用されている、

つまり、この素材の出自そのものが、「ハイパフォーマンスの素材」として考えられていると云うことである、

キャバリーツイルは、2重に織られたギャバジンで、斜め63度の二重のリブ(綾畝)が独特の「弾力性」を生み出している、ただし、いまでは、なかなか本物に出会うことは少ない、この素材に似た「エラステイック」という織物もあり、本格的なウールギャバジン以外のものも見受けられる、


本物の「キャバリー ツイル」は、仕立てると直立するのではないかというぐらい、タフでヘヴィーに織られている、そのくせ、確かに弾力性があり、「エラステイック」と呼ばれるものに比べて表情が極めてすべらかである、


そして、この「キャバリーツイル」のクラッシックスポーツトラウザーズは「トープ (ベージュ)」と決まっている、




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上物がどんな色柄のツイードジャケット、セーター、カーデイガン、何がこようが、「トープ (ベージュ)」なのだ、そういう意味ではインディゴブルーのデニムジーンズと似ている、



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私も20数年前に仕立てたキャバリーツイルのトラウザーズをいまも愛用しているが、キャバリーツイルのものはそれ一本しかもっていない、だから、当然、履く回数も多く、酷使しているが、いまだ仕立てた当初の面影を残している、

それは、この写真(60年代のかなり本格的なキャバリーツイル、一生持つどころではないと思う、)のものに比べて少しライトウエイト(ちょっと変わった綾が入っている、)だが、クリースフリー(しわが寄りにくい、というかほとんど皺を残さない)で、旅の間中、或いはスポーツコートを羽織ったときには必ずといって良いほど履き続けているけれど、部屋に戻って、逆さに吊るしておけばプレスの必要もなく、明日も履ける、

この、60年代のビンテージキャバリーツイルは、いつか愛用のものの代わりを仕立てようと思って見つけたけれど、結局、問題なく愛用し続けているので仕立てないままになっている、

結局、キャバリーツイルのトラウザーズは一本あれば良い、何にでも合わせて、これに限っては続けて着用しても充分、耐えられる、丁寧に仕立てられたビスポークの「キャバリーツイルトラウザーズ」というのはそういうものだ、少し、贅沢をしたいなら、ベージュ系で色の濃いいものと、薄いものの2本を用意すれば良い、



キャバリーツイルのトラウザーズは
一本あれば良い、
いつでも、何とでもあわせて、
生涯、履き続けよう、



そして、キャバリーツイルはウールだから、仕立てるときにクセもとりやすい、アイロンワークでふくろはぎのところに丸くクセをとることができる、類まれな最強の素材に、最上の仕立てという意味では、キャバリーツイルのクラッシックトラウザーズは最も「ビスポーク」らしいものかも知れない、


ただ、やはりビスポークにすべきで、既成やパターンオーダーは避けるべきだ、ちゃんとクセをとり、丁寧に身体に合わせ仕立てないと、最強の素材に負けて履きにくく、もたつくものになる、

特に、トラウザーズは、ビスポークと既成やパターンオーダーでは最も差が現れる、
トラウザーズというのは身体に即しながらも、裾幅の如何によらず足元に優雅に「真っ直ぐ」落ちていかなければならない、
ビスポークでも技術の如何で、そうなっていないものも多い、私がつきあっていた老テーラーは、足にもたつく歪んだトラウザーズをなにより忌み嫌い、某超なんとかホテルの古参はお里が知れると侮蔑していた、





(このところ、急に「長持ちする」ということが囁かれるけれど、思うに、それは最良の生地で極く丁寧に仕立てられたビスポークのみにいえることで、既成やパターンオーダー、或いは中途半端なオーダーのものは仕立ての構造も違えば、生地の質も違うので、それに修理を重ねるのは、逆の意味で誤解されるような気もするし、あまり尊敬もされないような気がする、貧相なものを貧相に修理し続けても、それは人生も貧相にするだけじゃないかなあと思ったりもする、
先ず、愛せる確かなものを数少なくても手にいれるべきだ、)


































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copyright 2009 Ryuichi Hanakawa

by tailorrikughi | 2009-02-09 15:30 | 13.Cavalry Twill