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The Collection / 3.Country (Sports)Style Collection

TAILOR CLASSIC


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「CLASSIC  Country Sports Style」

クラッシック スタイルのなかで、趣き深いものに「カントリー(スポーツ) スタイル」があります。
ハンテイングや、シューテイング、などのスポーツ時のもの、そして乗馬を愉しみ、田舎での生活を愉しむスタイル、タウンスーツと比べて、文字通り機能とともに、パーソナルな趣味や、愉しみを現しているものが多く、私の好きなスタイルです。

そして、そこで使われる生地もまた、タウンスーツとは違う趣き深いものがあります。チェックや、ハウンドツース、或いはバリコーンウイーブなどの特殊なもの、そしてヘビーツイルや3ply、ツイード、スポーツと呼ばれる厚手のしっかりタイトな織りのものなど、、、私は、どうしてもこれらに魅かれてしまいます。探っていけば、いくほど奥深く、様々な織り、様々なデザイン、様々な用途と、魅了されていき、コレクションのなかでも内容の豊富なものとなっています。





b0151357_127749.jpg英国製
「Dormysports」

ドミュール(ドーメル)には、英国製とフランス製があり、現在は高番手のものに力をいれているように思いますが、ビンテージで残る「Sports」コレクションにはいかにも英国のクラッシックといえるものがあります。
通常は、かなりタイトに織られた頑丈な、色もグレーを基調とした「Sportex」と名づけられたものが馴染み深いですが、
これは、英国製のドミュールスポーツ(カントリー)コレクションの中でも、あまり見ない上級クラスの「ドーミスポーツ」と名づけられたものです。
「バリコーンウイーブ」という、ちょっと変わった織りかたで、生地の耳に星が3つつけられていることからも分かるように、タイトに織られているのですが、しなやかで、糸の良質なのがわかります。(イタリア製の生地などでは、生地の質の優劣に限らず、何でも(?)生地の耳に星をつけたがる傾向(?)があるようにも思えますが、その点、英国製の方が正直で、ミルとして製作に力の入った生地に星をつけてアピールしています。ただ、現在は高番手のものに、主につけられているようにだけ見受けられますが、、、)

同じドミュールの単に「Sports」と名づけられた、タイトな硬さのある生地もコレクションしていますが、それに比べるとこの生地の特殊性がよく分かります。  


b0151357_1313179.jpg英国製
「ビンテージ キャバルリーツイル」(60~70年代)

写真では分からないと思いますが、いまのキャバルリーツイルと呼ばれるものとは明らかに質が違います。
非常にタイトに織られていて、極めて肉厚です。これほど肉厚のもは珍しいと思います。この生地は、主にはクラッシックなカントリートラウザーズに使われていたもので、昔は、ハッキングジャケットのボトムといえば、このキャバルリーツイルのトラウザーズが紳士の定番でした。
多分、一生、或いは次世代までは軽くもつと思います。



b0151357_1274927.jpg英国製
「Semi-sports Worsted with Purple overplaid」


これは、セミスポーツ(タウンユースとしてもつかわれるカントリーテイストのスタイル)の生地としては、傑作のひとつでしょうね。
少し毛足のあるビンテージですが、今ではお目にかかれない独特のデザインで、きれいなパープルのサブデュード(控えめな)オーバープレイドが入っています。そして、糸が非常に良い。
一見、プリンス オブ ウエールズにみえて、違います。その雰囲気をパターンではなく織りで表現してあるのです。秀逸だと思います。




b0151357_1465532.jpg英国製
「ラムウール ツイード」

上質なピュア ラムウールのクラッシック ツイードです。
ピュアラムウールのツイードは肉厚でタイトに織られていますが、極めて軽く、かつ空気を孕んで暖かくもあります。ただ、上質なラムウール100%のものはやはり少ないと思います。
これは、何より色とデザインがいかにも英国の田舎を思わせるもので、しかも色合いが上品です。



b0151357_1321040.jpg 英国製
「ラムウール ツイード / クラッシック エステイトツイード」


これも、ピュアラムウールのツイードです。質も上のものと同等に極めて良質です。
ウインザー公の今に残るハンテングの写真で、このエステイトツイードの柄に似たハンテイングトラウザーズを着こなしていました。
非常に良い色合いです、大胆にみえますが、これはエステイト(領地)をあらわすクラッシックな柄です(ハンテイングの際には、遠くからでも識別できるように、また誤射を防ぐために、各領地で固有の柄が決められていました。)  



b0151357_1293998.jpg英国製
「ビンテージ ラムウール ツイード / ラボットグリーン」


これは、ラボットグリーンと呼ばれる、英国人に非常に好まれる色です。カントリーテイストの生地といえば、このラボットグリーンを代表とします。

これは、ピュア ラムウールで織られたツイードですが、上のものよりは、よりタイトに織られています。ラボットグリーンにサブドユードのエンジのオーバープレイドが入っていて、お手本のようなクラッシックカントリーデザインです。
実は、この生地と同じデザインのスーツが、1937年のエスクワイアにフェローズのイラストレーションで載っていて、それと同じものを探し回ったのです。これも、セミスポーツのまさしくクラッシックです。






b0151357_1302088.jpgスコットランド製
「カントリー プレイド/ リード&テーラー 70年代」

いまでこそ、ジェイムス・ボンド映画に高番手の生地を提供する「リード&テーラー」(歴史のあるミルです)ですが、経営者が変わる前までは、リード&テーラーといえばハイツイスト(糸を撚って、よりタイトに頑丈に織られた)のウーステッドで有名でした。

これは、70年代の強くタイトに織られた、カントリープレイドです。デザインは極めて、クラッシクな英国カントリーテイストのものです。
英国の茶は、その表現が独特で、いわゆるブラウンではなく捻った色だしをしています。英国では、ブラウンのスーツはあまり着ないのです。ですから、茶を色だしするときは、着るに足る茶に工夫するのです。逆にいえば、英国の茶の生地は独特で、工夫があって秀逸なものがあるということです。
この茶も、実に良い表情をしています。



b0151357_1325889.jpg英国製
「ケドラン ウーステッド」


ちょっと珍しい生地です。ケドラン ウーステッドのクラッシックなスポーツチェックです。
スポーツといえば、昔はこのチェックが代表していました。いまのチェックとは違います。味のある独特の配色です。極めてクラッシックなチェックで今はなかなか見つかりません。
タイトに織られていて、フラップ付きの胸ポケットや、スラントポケットのジャッケット、或いは、旅行用のコートなどにも使われていました。






b0151357_1391542.jpgスコットランド製
「カントリー ハウンドツース」


このミルは、歴史のあるミルなのですが、ときにクラッシックな柄を大胆にリ-デザインすることで評価が高い織り手です。
このカントリー ハウンドツースも、イエローのオーバープレイドになったところだけが、独特の立体感のある織りになっています。よくみると、このイエローのハウンドツースは、わざと上に重ねて織られているのです。ですから、黒のハウンドツースの上に重ねられたところと、グレーのハウンドツースに重ねられたところが、にじんだような表情を見せています。
非常に凝った特殊な織り方で、これ以外には見たことがありません。
少し、シルクが入っています。それも、このハウンドツースに表情を与えています。










b0151357_14593178.jpg英国製
「ハイツイスト カントリー ウーステッド」


いかにも英国らしい生地です。ハイツイスト(糸を強く撚ることによって、腰のある生地になる)の極めて打ち込みの多い、密に織られたもので、ほとんどクリースフリー(しわが寄らない)といえます。硬く、ハリがあります。多分、一生どころか何代も着続けられます。これほどタイトに織られている生地は、今では珍しいでしょう。

デザインも品の良い変わりハウンドツースで、これを探すのには実は苦労しました。ハウンドツース好きの私としては、ブラック&ホワイトはもう何着か持っているので、色違いのハウンドツースを探していたのですが、どれを見てもやはりブラック&ホワイトに勝るものが見あたりませんでした。
ヨークシャーの生地屋に眠っていたこれを発見したとき、生地の質もクラッシックで、写真ではわかりにくいですが、遠めでうっすらとウインドペインに見える配色が秀逸で、自分の望んでいたもの、質、品の良さ、クラッシックだけど少しひねくれている自分の感性、それらに適うものがあって惚れ込んでしまいました。

これは、本格的なハッキングジャケットやバイス ウイングジャケットに向いています。が、せっかくのこの生地ですから、少しダンデイ趣味の変わったデイテール、ハーフムーンポケットとか、ポケットやフラップの大きさとか形にこだわるとか、を入れてみたいものです。















「ティラー六義」
中央区銀座一丁目21番9号
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by tailorrikughi | 2008-08-27 01:33 | 3.Country Sports

Column / The Astaire   Step in the Time






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b0151357_165350100.jpgアステアは、日本人好みの美男子というわけではないので、
日本では、いまひとつ評価が低いような気がするが、
アメリカでは、やはりダンデイといえば必ず上位に入ってくるハリウッドスターである。

手元にある「ハリウッド ポートレイツ」という
ハリウッド男性スターのポートレイトの古いレターセットにも
ケイリーグラントなどと並んで、ダンデイな姿が、その一枚に加えられている。

アステアは、サビルローのあるテーラーでスーツを頼んでいたらしいが、
この時代のそのテーラー、或いはその時代のサビルローはやはり黄金期だったのか
今とは違うラインがそこにある

下の写真のアステアにしては珍しい、4つボタンのダブルブレステッドは
なかなか魅惑的な、イギリスらしからぬシャープなラインを描いている

多分、グレイフラノであろうそのスーツを
アステアは下のボタンひとつで留めて少しいなせに着こなしている。








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b0151357_16581290.jpg「イースター パレード」でみせた、
珍しい6ボタン、3つ留めの、クラッシックなダブルのリーファースタイルの
スーツ姿も良かった。

サビルローのそのテーラーは、カッターによってスタイルに違いがでる、
これは、変に思われるかももしれないが、考えてみれば当たり前のことで、
優れたカッターがいる時代は優れたものができあがる

アステアが活躍した黄金期と、
実は、1970年代と80年代初頭のわずかの期間もまた、
このテーラーのピークだった、
優れたカッターがいたのだ、


この時代のハンツマンもそうだった、
この時代には50代後半から60代の1950年代以前を知るカッターがいて、
両者とも、少しアメリカ風というのか、例えば
ハンツマンのあのワンボタンの上着は、かなりVゾーンが深く、
その、ウエスト位置が低いワンボタンに向かって、
思い切り良くシェイプしていた、

この時期は、押し寄せるピーコック革命(懐かしい)や、
デザイナー既製服の台頭とサビルローは次々に揺さぶられ、
優秀なカッターは、何とかしなきゃならんと、
危機感をもって、新しい波もそれなりに取り入れ、
結果、良い仕事をした、

それから、80年代にはいって、
サビルローは英国経済とともに急激に廃れていく、
「職業」としてのテーラーに魅力がなくなり、人が離れていった
次世代を担うべき人材の補充もままならなかった、、
その空洞の時期が、今に響いている。





b0151357_19214449.jpgそうそう、
アステアはいつも良い靴をはいていたことを忘れてはいけない、
パリやロンドンでちゃんとビスポークしていて、
いつも、スーツにあった靴をはいていた、
その合わせ方もアステアらしい洒落があった、

右の靴を無造作に並べ上げたアステアの写真はどうだ、

アステアは、仕事のせいもあったろうけれど、
本人もお洒落を愉しんでいたと思う、
それも、決してシリアスにならず、
アステアらしいさっぱりした、洒落たスタイルで、、、
この人には、やはりスタイルがあったんだな、


アステアの精神よ、永遠なれ。









「ティラー六義」
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by tailorrikughi | 2008-08-19 17:11 | ■Column(New)

F.A.Q. /  「Made to Measure」について



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「Made to Measure」について、たくさんのお問い合わせ、ご質問をいただきました。ありがとうございます。

ここでは、その中で多かったご質問について記しておこうと思います。



Q1.「『Made to Measure』で、サイトに紹介されていた3ボタンのスーツ以外に、ダブルブレスのスーツ、コートなどもオーダーできますか?」

残念ながら、現時点(2008年11月10日現在)では、このサイトでご紹介した「クラッシック 3ボタン 3ピース」,及び「スリーク 6ボタン ダブルブレステッド スーツ」の2スタイルに限って「Made to Measure」を承っています。(今後、モデル数は増やしていく予定です。)

「スインギングロンドン ブライアンジョーンズモデル」を、次回の予定で作業を進めています。

これは、何回かの仮縫いを経て、好みのスタイルを作っていくBespokeと違い、「Made to Measure」では、仮縫いがない分、仕立て上がりのイメージを確定し、共有する必要があるからです。



Q2.「ローブドショルダーが好きなのですが、ローブドショルダーに代えられますか?」

「Made to Measure」はハンドテーラードなので、ローブドショルダーに変えることは可能です。しかし、服の印象は少し変わってきます。



Q3.「ウエストを絞ったスタイルが好きなのですが、絞れますか?」

体型にもよりますが、可能です。写真では分かりにくいと思いますが、このモデル自体もかなりフィットさせています。アスレテイックなスタイルは六義のハウススタイルでもあります。

ただ、ウエストの絞りの「印象」は、肩幅と胸周りのふくらみとのバランスによって生み出されます。肩幅とウエストの差があまりない方の場合、肩を少し広めにとる必要があるかもしれません。



Q4.「太めのパンツが好きなのですが、パンツの幅はかえられますか?」

トラウザーズの裾幅は、通常、ジャケットとの関連性によりますが、幸い、このモデルの上着に限って言えば、トラウザーズの裾幅の許容範囲は広いと思います。

クラッシックな印象を強めたいならば、少し広めに、シャープなタウンスーツにしたければ、少し細めに変えることは、基本的には可能です。



Q5.「サイドベンツに変えられますか?」

これは、問題なく可能です。




「Made to Measure」は、ハンドテーラードで仕立て上げられます。ここに、拘りがあります。
いわゆる、イージーオーダー「システム」を指すものではありません。

そして、仮縫いがない分、仕立て上がりのイメージを確定するためにモデルを用意しています。
今回は、良き時代のクラッシックな3ボタンの三つ揃いです。普通の3ボタンとは違います、ナポリ風とも違います。ここにも拘りがあります。


この他にも、ご質問がありましたが、写真や言葉だけでは、説明しづらいものもありました。
これは、個別に実際のスーツをお見せしながらでも、お答えさせていただきます。


その他、ご質問があれば、お問い合わせいただければ幸いです。






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by tailorrikughi | 2008-08-19 12:55 | ■F.A.Q.(New)

COLUMN / 「STYLE」 について


TAILOR CLASSIC




Corrrect Style & Timeless Quarity
Style
Column |  スタイルについて




わたしは、主にロンドンとパリと、ウイーンとローマのテーラーで服を頼んできました。これは、時系列で頼んできたというわけでなく、各都市毎にテーラーと継続的に付き合ってきたということです。服や靴だけでなく、その他、生活に必要なものも各都市毎に決めて継続的に付き合ってきました。

何故、そんなことをやってきたか、それは常にその都市の間を移動する生活をしてきたからで、事情によって一週間もたたないうちに別の都市へ移動したり、或いは何ヶ月もそこに居つくこともありました。

しかし、どこにいようが、自分のライフスタイルを崩したくはない、むしろライフスタイルをエレガントに向上させたい、そのためには、各都市ごとに各々をまかせられる専門家が、「必要」と云わないまでも、あった方が便利で、なにより愉しい毎日が送れます。



とにかく、好きな時に、好きな場所に出掛けるというのが身上で、気軽に移動し、体感を増やしていくことがなによりの「生きること」への栄養だと思っています。


とくに、20代から30代にいたる時代は、自分なりに生きていくことへのスタイルを模索していた時代で、友人も呆れるくらいヨーロッパ中を移動し続けました。なにしろ、サンピエトロに興味を持てば、毎週、毎月のように出掛け、ニューヨークの街が面白かったときは、やはり毎月出掛けるという具合でした。この「アスリート的な」移動生活から得たものは大きく、いまでも私のベーシックをつくってくれたものだと思っています。

(この辺の事情は、「百歳堂毘日乗」に記そうと思いますので、ご興味のある方はそちらを覗いてください。)


そのなかで、テーラーや靴屋、シャツ屋との付き合いも、出来上がったスーツやシャツという「物」だけでなく、その付き合いのなかで「男の生き方」や「人生の愉しみ方」といった面でも、いろいろ得たものが多いと実感しています。時代も違ったのでしょうが、これは、既製品をただ買っていたのでは得られなかった体験だと思います。


いま、書棚に残った若い時分に集めた本を読み返しているのですが、それと同じように、自分が作ってきた服も取り出して、見直しています。

それは、服を「読書」する「愉しみ」とも云えます。ビスポークの場合、一着のスーツにも、生地を選び、何回かの仮縫いを経る過程、或いはその時の自分の思いなど、様々な記憶が詰まっています。さらには、経験を積んだ今だからこそ、そのテーラーの「仕事」に気づくこともあります。


学生時代に注文し始めた頃の何も知識がなくて闇雲に形だけに拘っていた時代、そして美しい服への想いだけが突っ走っていた時代、それから経験を経て、ある程度の自分のスタイルで注文できるようになったと思える時代、、、書棚に並ぶ一冊づつ選んできた「書物」のように、クローゼットに並ぶ服は私の履歴を教えるアーカイブといえます。

幸いなことに、私は良いテーラーに恵まれています。

今日は、その中から、2着のダブルブレステッドのスーツをご紹介しましょう。








b0151357_12354073.jpg「1974年製 サビルロー スーツ」


一着目は、学生時代から付き合ってきたサビルローのテーラーのものです。チケットを見ると、1974年5月28日に納品されています。

このテーラーは、イートン校とのつながりが深く、イートンにも支店があります。10代後半ぐらいからの付き合いです。これを、見ると、20代からほとんどスタイルが変わっていないですね、私は。
事実、直し続けて、7~8年前までは、現役でこのスーツを着ていました。ここら辺りが、昔の丁寧に仕立てられたビスポークスーツの底力ですね。

いまは、私の身体が一回り大きく(太った)なったので、直すのも限界かなと思い、次世代に譲ることにしました。34年経っていますが、スーツには全く問題がないです。



仕立ては、非常に立体的にできています。お手本のような、イングィッシュドレープです。特に胸周り、ウエスト、コートの裾にいたる構築は上手いです。これが、いまのサビルローと違うところです。

生地は時代もあって、しっかりウエイトのあるネイビーのピンストライプです。これもまた、お手本のような英国スーツ生地です。実は、、これにはエキストラトラウザーズをつくっていて、つまり2本、トラウザーズを仕立てています。一本は、典型的なイングリッシュカット、もう一本は、フレアートラウザーズ、つまり「パンタロン」です。時代はスウインギングロンドン真っ只中ですからね、それに、当時、パリにガールフレンドがいて、しょっちゅう通っていましたから、彼の地では当時「ミネ」というスタイルが全盛で、戦略的(?)に、ビスポークのフレアパンツを用意しようと思ったのです。


やっぱり、フレアーパンツを頼んだときは、テーラー氏は何も云わなかったけれど、いわゆる「眉をつりあげ」ました、まあ2本つくるということで、かつロンドンの「ジェンントルメンズクラブ」などでは決して着用しないこと、と約束させられて作ってもらいました。

フレアーパンツは、ノープリーツで非常にきれいなラインでした。
驚いたのは、片手間にそれらしく真似たというレベルどころか、パリでもどこのデザイナーのものかと始終聞かれたくらいですから、流行のデザイナーの域を超える美学をもっていたところです、

後で、店のお弟子さんに聞いたところ、このパンツをつくるために、テーラー氏はグラニー テイクス ア トリップとか当時でも、かなり通好みの店を自身でリサーチに出向いていたということでした。恐るべし、、、

そのことが影響(?)したのかどうか、しかし上着はかえって極めて英国的につくられています。


こういう、テーラーの気構えとか、顧客とテーラーとの丁々発止のやり取りがビスポークの醍醐味といえるところで、お互いにそれを愉しむ余裕と情熱が、この時代にはありました。










b0151357_15545730.jpg「LONDON CUT EDWARDIAN SUITS」


もう一着は、極めて独特の姿をしています。
かなり広めに取ったしっかりした肩、ウエストもかなり絞っています、そして着丈の長い、独特のエドワーデイアンスタイル。これは、実際に着ると、かなりスタイリッシュです。


これも、サビルローテーラーですが、いわゆる「パーソナルテーラー」の作です。適当な言葉がないので、「パーソナルテーラー」と呼びましたが、通りに店があって不特定多数の客を相手にするのではなく、極く限られた客、つまり一見の客はお断りというテーラーです。



私の若い時分には、まだロンドンでも何人かいました。サビルローの店と違うのは、すべての「パーソナルテーラー」がそうではありませんが、このテーラーは採寸から裁断、縫い、仕上げまですべて一人でやっていました。いわゆる「丸縫い」で、分業を拒否していました。そして、お客の望みに徹底して付き合う、だから値段も、当時のサビルローの店の2倍、或いは2.5倍ぐらいは平気で取っていました。なぜならば、年間に縫える数は限定されますから。







b0151357_12373477.jpg こうした人は、たいがいお爺さんで、もともとはサビルローのヘッド職人だったり、職人協会の会長とか要職にある人が多かったですね。


このテーラーは頑固な人でしたけれど、私はこの人から学んだことは非常にたくさんあります。英国の服のスタイルの、こと細かいデイテールにまで及ぶ広範な、そして実地経験をふまえた知識は、この人から引き継いだものが多いと思います。いまや、そういう知識を持っているテーラーはいないでしょう、またそれを書物から得ることも不可能でしょう。たいへんラッキーな出会いだったと思います。
六義のテーラーとしてのスタイル、姿勢はこの良き時代の「パーソナル テーラー」にあります。



まず、仕立てがその当時でも、サビルローとはレベルが違っていました。芯の作り方をはじめとして、1950年代以前の、英国テーラーの一番良い時代を守っていました。そして、スタイルについての知識ですね。「いまのテーラーは、何も知らない」と豪語するだけあって、驚愕する知識のアーカイブを持っていました。

私は、このテーラーで都合、6着のスーツをつくりましたが、本当はもっと付き合いたかったのです、しかし私が出会ったときの年齢もあり、どうしても「引退する」と潔く引退して田舎に引っ込んでしまいました。


ちなみに、この人は、伝説のダンデイとして知られるNeil Munro ("Bunny") Roger 、バニー・ロジャーの服を昔、手がけてもいました。バニー・ロジャーは、後年、ポール・スミスがその遺品を買って、自身のコレクションに取り入れたことで日本でも紹介されたので、ご存知の方もいらっしゃると思います。

私は、当時(80年代前半)、バニー・ロジャーのことなど知りませんでした。しかし、一度、出会っています。
それは、メイフェアの或るギャラリーの「プライベート ビュー」(上得意だけを呼んで開催前に行われる下見会、パーテイみたいなもの)のことで、会場でひときわ目立つ、異様にスタイリッシュなお爺さんが、後でわかったのですが、ロジャー氏でした。








b0151357_1238164.jpgロジャー氏がそのとき着ていたスーツは、生地は極くクラッシックなダークなストライプでしたが、とにかく、その思い切り広く取られた肩、削り取られたウエスト、細いパンツ、とくに後ろ姿のフィットした逆三角形を描くとんでもなくスタイリッシュな姿には目を奪われました、そしてサイドベンツが異常に深いのです、腰の辺りまであったように思います、その深いベンツから時折覗く鮮烈な色の裏地。

ふと気が付くと、私と同じように彼の姿に見惚れている人がいました。エリック・クラプトンです。彼は、絵画をはじめビンテージーカー、競争馬の名立たるコレクターですからね。目と目があって、お互い無言で「すごいね」と目配せしたのを覚えています。
(エリック・クラプトンは、おもしろい動きを見せる人で、彼のコレクターとしての活動もそうですが、一癖あるセレブリテイーがメンバーに集まる「グルーチョ クラブ」というプライベートクラブの設立にも参加しています。いまもピカデリーの裏手にあるこのクラブ、ロンドンの小さなプライベートクラブ ブームの走りともいえるもので、料理がおいしいことでも有名です。)


その、印象が強烈で、それでこのテーラー氏で新しいスーツをつくるときロジャー氏のスタイルを参考にスケッチを描いて持っていったのです。

その時、テーラー氏が「ああ、それはサー・ロジャーだ。」と教えてくれたのです。そうして、私に合うようにアレンジして出来上がったのがこのスーツです。夏前だったので、非常にしなやかな、かすかにストライプが見えるモヘアで仕立ててあります。全体にエドワーデイアンの独特の匂いのあるバランスで、チケットポケットの位置など特徴的です。ただ、すべてこのスタイルで作ったわけではありません。(つづく)














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by tailorrikughi | 2008-08-15 15:39 | ■Column(New)

Classic tailoring 5. / Dark Navy Town Suits with double breasted waistcoat



TAILOR CLASSIC

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Art&ClassiC







Correct style & Timeless Quality
OUR Favorite Cordination
RIKUGHI | Bespoke Suits




b0151357_1825352.jpg Shirts 「RIKUGHI Bespoke Shirts」 (フルハンドメイド 仮縫い付き¥50000 税抜き本体価格 スイスコットン使用 クラッシック タブカラー)
このシャツの生地は、70~80年代のスイスコットンを使っています。クラッシックなラウンド衿のクレリックで、フレンチカフ(ダブルカフ)に仕上げました。
ボデイは、白地にクラッシックなネイビーの変わりストライプです。非常にタイトに織られていて、表示はなかったのですが、多分シーアイランドコットンだと思います。
細い青と太目の青が組み合わさった変わりストライプが、クラッシックで男っぽくて、探そうと思うとなかなか見当たらないものなので、重かったですが1反、スイスから持ち帰りました。プライベートな旅行中に見つけたものです。
衿は、少し大きめのラウンドのタブカラーです。タブも、ボタンでしめるクラッシックなタイプにしました。タイは、やや大きめの柄のハウンドツースプリントです。

Tie 「VINTAGE TIE」(フランス製 非売品 )

Pocket squre 「RIKUGHI GINZA 1」(ハンドロール仕上げ ¥7800 税抜き本体価格 日本製20匁シルク使用)





b0151357_18434073.jpgこれは、非常にマスキュリンにフィットさせたスーツです。

かなり、なで肩に落とした肩のライン、アスレテイックな胸と、ウエストに沿って立体的に削られるシェイプ、身体に沿って弓を描く背のライン。そして、見た目よりは柔らかく仕立てています。ちょっとダンデイズムを匂わせるのは、ダブルブレステッドのウエストコートを合わせているところです。

英国製のスーパー150‘s & カシミアの310gぐらいを使用して、色はダークなネイビー、このスーパー150‘sは、高番手のわりに生地の量感があります。そういうものを探し歩いたのです。高番手のものも、いろいろ試しましたが、問題は生地の厚み、量感です。いまの200‘sとか見ると、先ずペラペラなのです。

一時、「番手神話」のようなものがうまれて、ただスーパーの値が高ければ高級という日本人が陥りやすい風潮がありました。はっきり言えば、これは誤りです。高番手で薄いものは、スーツを仕立てるには不向きです。そして、同じスーパーの値でも質のバラつきもあります。英国ミル以外には、あまり手を出さない方が良いかもしれません。スーパーの値よりも、なにより糸の良さ、生地の表情を見抜くことが大切だと思います。


b0151357_18455747.jpgマネキンに着せると、やはり変なシワがよってしまいます。
ただ、ウエストラインだけでなく背中から包み込むように、立体的に身体のラインにあわせて、思い切り良くフィットさせているのが分かると思います。
メリハリのないただタイトなだけのスーツはかえって貧相です、胸のふくらみとラインに沿ったシェイプ、運動量を計りながら、立体的に美しさを仕上げていきます。


ちなみに、この生地を手に入れたヨークシャーのミルで良かったのは、スーパー140`s & カシミアのシリーズで、これはデザインの豊富さ、厚み(量感)、そして高番手の生地に特有の贅沢感のあるシルクのような光沢をスーツに仕立てて愉しむには、むしろ適していているように思え、いくつか手に入れました。





























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by tailorrikughi | 2008-08-11 17:31 | 5.Navy Town Suits

Classic tailoring4. / Blackwatch Suits with ancient double breasted waistcoat and lilac lining


TAILOR CLASSIC


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Art&ClassiC






Correct style & Timeless Quality
OUR Favorite Cordination
RIKUGHI | Bespoke Suits


b0151357_150022.jpgShirts 「RIKUGHI Bespoke Shirts」 (フルハンドメイド 仮縫い付き¥50000 税抜き本体価格 ヴァイオレットコットン使用)
このシャツの生地は、ちょっと変わっていて、シルクを織る織機で織られたものです。しかも、糸自体が絹と同じ工程で紡がれています。これは、シルク専門の小さなミルで、極く特殊に織られたもので、偶然見つけたものです、極めて高番手で、着ている事を忘れさせる軽さがあります。この軽さは、逆にいえば、ビスポークの完璧なフィッテイングでなければ、変にスーツの下でもたついてしまうでしょう。仕立ても手間がかかります、光沢のある美しい生地ですが、やっかいな生地です。

写真では実際の色が表せていませんが、色だしも独特で、ヴァイオレットという単純な区分では納得できない,少しライラックが混ざっているような、良い色をしています。
衿も、19世紀的なウエストコートにあわせ、少し小さめのクラッシックなラウンド カラーにしてあります。

タイは、様々なパープルが織り込まれたビンテージストライプ、ポケットスクエアはシャツよりも濃い目のヴァイオレットです。

Tie 「RIKUGHI GINZA 1(英国製タイ ¥15000 税抜き本体価格 英国製シルク使用)

Pocket squre 「RIKUGHI GINZA 1」(ハンドロール仕上げ ¥7800 税抜き本体価格 英国製シルク使用)




b0151357_1504896.jpgButtons 

このスーツには、19世紀的な極めてクラッシックなダブルブレステッドのウエストコートを合わせています。そして、ウエストコートだけは、ブラスボタンを付けています。
実は、この6個のボタン、ひとつひとつが異なっています。これらは、ビクトリアンからアールヌーボーまで、19世紀から20世紀初頭のアンテイークボタンで、ひとつ、ひとつをカラートーンとサイズを合わせながら選んだものです。(ウエストコートの衿にも、細かなハンドステッチが施されているのがわかるでしょうか。)

ケンタウラスやアールヌーボの植物模様、、、ボタンには時代、時代の象徴が刻まれています。



私は、ボタン好きです。ハンテイングボタンやライブリーボタンについては、 「百歳同毘日乗 『ライブリーボタンとアンライニングブレザー』」 をご参照下さい。










b0151357_1565543.jpgBlackwatch

このスーツは、スコットランドで織られた、「ブラックウオッチ タータン」で仕立てています。
これを織ったミルは、歴史のあるミルなのですが、そのデザインにおいて非常にクリエイテイブなミルです。
「Buttons」の写真で、クローズアップされたこの生地をみるとお分かりになるように、ホリゾンに走ったラインが単純な繰り返しではなく、ひとつのデザインブロックが通常のものより、ワンブロック、パターン数が多いのです。(おかげで、仕立てあげるのに、たっぷり4.5mの要尺を使いました。角度の大きいハーフムーンポケットの柄あわせもありましたが、、、)

そして、独特の色合いです。普通のブラックウオッチは仕立てるとグリーンが強すぎて、落ち着かないのです。なかなか、スーツに仕立てて、品よく収まるブラックウオッチはありません。

スタイルは、立体的な クラッシック イングリッシュドレープのツーボタン、しかし、大胆に曲線を描くハーフムーンポケット、そして、袖口には、クラッシックなカフ、カバード(くるみ)ボタンを配しました。










ビスポーク スーツは、本人にしかフィットしないので、マネキンでの表現は難しいのですが、「立体的」とは、胸のふくらみの持たせ方や、ウエストの絞りも単にサイドでしぼるだけでなく、胸のふくらみから (よく写真をみると少しは読みとれると思うのですが、、)、ウエストを経る正面の削り方などを意識して「縫い」上げるということです。

これを実現するためは、型紙には現れない「縫い」の意識と技術が必要です。そこには、アイロンワークもあります。
そして、「スタイル」への拘りとセンスが必要です。

私は、様々なテーラーでオーダーを繰り返しましたが、この型紙以上の立体としてのスーツをスタイルという意識をもってつくり上げることのできるテーラーは稀です。


結論としては、仕立て職人やテーラーにすべてをまかせるのは無理です。職人やテーラーは、必然的に作業場や店に閉じこもざるをえません。一生愛せる美しいスーツをつくるためには、高い技術とともに、不遜ながら、その美しいスーツを着ている生活と体験と知識と、そしてイマジネーションが必要だと思います。これは多くのことにあてはまる、当たり前のことだと思います。

六義で、テーラーと私が常に2人で、仮縫いに臨んで討議していく理由はここにあります。









b0151357_2324392.jpgLining(裏地)

ビスポークの隠れた楽しみのひとつ、「裏地に凝る」、この「Classic tailoring」で紹介する、スーツもそれぞれに異なる裏地が張られています。


今回の、裏地は、ライラックの変わりホリゾンストライプのシルク。ちょっと、凝った生地です。グラデーションのように、様々の明度のライラックが細かくホリゾンストライプになっていて、少しネップが入っています。(写真では残念ながら表しきれていませんが、、)昔から思っていたのですが、ブラックウオッチとライラックは実に相性が良いのです。ただ、単純なライラックではなく、この表情のあるシルクを見つけるのには、手間がかかりました。

六義のビスポークスーツのライニングはシルクを基本としています。いまや、ポリステルや化繊が中心で、付属屋さんには「シルクの裏地」もあるにはあるのですが、その多くは、なさけないもの(生地)です。

それで、世界中を探し回るハメになっています。






















「ティラー六義」
中央区銀座一丁目21番9号
phone 03-3563-7556 e-mail bespoke@rikughi.co.jp(appointment required 要予約)

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by tailorrikughi | 2008-08-07 15:09 | 4.Blackwatch Suits

Classic tailoring 3./ Navy Window Pane Suits with Lapeled Waistcoat( Full Handmade Bespoke Suits)


TAILOR CLASSIC



b0151357_1313956.jpg

Art&ClassiC


これも、フォックスで織らせたエクストラファインのラムウールとカシミアのフラノです、極めてタッチの良い贅沢感のある仕上げになっています、

ネイビー地にオフホワイトのウインドウペインのフラノは、いかにも英国的で、意図的に非常に古典的な仕立てにしてあります、ラペル、ウエスコートの在り方、袖のクラシックなカフ、サイドベンツの切り方などのデイテールのひとつひとつ、なにより、胸にボリュームをもたせ、ウエストかに向かってかなり削ったライン、マスキュリンで雰囲気のある後姿が特徴的です、




Correct style & Timeless Quality
OUR Favorite Cordination
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■画像をクリックしていただくと大きい画面が表示されます。
b0151357_1323344.jpgShirts 「RIKUGHI GINZA 1」 (Ready to Wear ¥21000 税抜き本体価格 英国製シーアイランドコットン使用)

Tie 「RIKUGHI GINZA 1(ハンドメイド 7フォールドタイ ¥21000 税抜き本体価格 英国製シルク使用)

Pocket squre 「RIKUGHI GINZA 1」(ハンドロール仕上げ ¥7800 税抜き本体価格 英国製シルク使用)


■RIKUGHI 「GINZA 1」は新しくスタートするハンドメイドのレデイ トウ ウエア ラインです。






b0151357_1334429.jpg美しい後姿、、、 正面からだけではなく、ビスポークスーツは、あらゆる角度からみて矛盾を正し、美しさを構築していきます。
デイテールの必然は、その美しさを演出するために選びます。デイテールだけが一人歩きするものではありません。
スラントポケットの角度、チケットポケットの位置、、、それらは、全体の美しさを計りながら決められていきます。場合によっては、スーツにあわせスラントはかなり急角度で切られることもあります。美しさは「あいまいさ」からは生まれません、クラッシックはときに大胆です。
ここでは、袖を一周するクラッシックなつくりのカフ、少し大きめのカバードボタン(くるみボタン)を配しました。







b0151357_1353100.jpgこのスーツはヨークシャアで織られたカシミアウールのフラノで仕立てました。 
カントリーテイストのタウンスーツで、ラペルのついたウエストコートをあわせています。写真では分かりませんが、裏地には70年代のパターンドシルクが張られています。





b0151357_1361811.jpgコーデイネーションは、 グレイ地に細かいダークネイビーの杉綾のストライプのシャツ(ちょっと変わった生地です。シーアイランドコットンですが、ウエイトがあります。)、非常に細かい、ダークネイビーとホワイトのスピタルスフィールドのタイ、そしてポケットスクエアは光沢のあるグレイ、少しベージュ味があるでしょうか。























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「Blackwatch Suits 」  BACK≪ ≫NEXT  「Double Breasted Four button Suits」 






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by tailorrikughi | 2008-08-06 13:07 | 3.Window Pane Suits

Classic tailoring 2. / Double Breasted Four button Suits(Vintage worsted with horn buttons)



TAILOR CLASSIC


b0151357_1678100.jpg

Art&ClassiC



1960年代の英国で、古典的な織機で織られたちょっと変わったオーバープレイドのウーステッドで仕立てた4つボタンのダブルブレステッドスーツです、

4つボタンのダブルブレステッドのスーツと云えば、ウインザー公を思い出しますが、生地もチェックがハウンドツースではなく、ドットの織り込みになっている面白いもので、公も同じような生地でカントリースーツを仕立てています、

一種の「カントリー スーツ」なのですが、少し独特の仕立てにしてあります、しかし、これは、クラッシックなものです、古のクラシックを探っていくと、そのスポーツスタイルやカントリースタイルにはかなり先鋭的ともいえるものを幾つも発見することができます、

この「カントリースーツ」のスタイルも、そうしたもののひとつです、
かなりウエストをシェイプさせています、そして独特のピークドラペル、ポケットも独特で、少し幅広で、スクゥエアにカットされています(このポケットのエッジをたてる部分だけでも仕立てに手間と技術がかかります)、クラシックの奥深さを感じさせる極めてダンデイな「カントリースタイル」です、ボタンをはじめデイテールが隅々まで「密やか」に凝っています、


Correct style & Timeless Quality
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b0151357_1681520.jpg Button
今回のコーデイネイトの一番のポイントはボタンです。
このスーツは、50~60年代の英国製、ビンテージの生地で仕立てました。
生地は、少しツイードタッチで、それに合わせて野趣あふれる少し変わったホーンボタンを使ってみることにしました。
バッフォローホーンの、縁がわざとアンフィニッシュなものです。非常にクセが強いもので、普段、タウンスーツには絶対に合わせないものなのですが、この独特のビンテージ生地の織りと柄にはぴたりと収まっていて、お互いの良さを引き出していると思います。
逆にシャツは、あえてシルクにしてオレンジのタイとペーズリーのポケットスクエアで華やかさを出します。ツイードタッチのカントリーテイストにしては、ちょっと畏(かしこ)まった感じ、「郊外のカントリーハウスから、ちょっとロンドンのクラブに遊びに来た」といった感じでしょうか、デイグニテイーも感じさせるカジュアルスタイルです。






b0151357_18285891.jpgShirts 「六義 bespoke shirts」(フルハンドメイド 仮縫い付き ¥50000税抜き本体価格 エクリュの20匁日本製シルク使用)

Tie 「RIKUGHI GINZA 1」(英国製ハンドフィニッシュ仕上げ ¥13000 英国製ガムツイルシルク使用)

Pocket Square 「RIKUGHI GINZA 1」( ハンドロール仕上げ ¥10000税抜き本体価格 ペーズリーのスイス製 ウールシルク使用)



























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by tailorrikughi | 2008-08-04 16:06 | 2.Four button Suits