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The Art of Tie / 古の「クラッシックタイ」を「研究」しよう




TAILOR CLASSIC   
21st Century
Elegancy






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Vintage
Classic Tie | クラッシックタイを研究しよう


多分、イギリス人とイタリア人ではネクタイの選択、嗜好に関して違いがあるように思う、アメリカ人とイギリス人においてもそれは違うだろう、昔のアイビーリーガーは独特な嗜好と規範があったが、それは今やノスタルジーになったように思う、フランス人とイタリア人も似ているようで違う、コンサバなフランス(パリ)人は昔はむしろ「英国っぽく」て、パリにはDoucetとか英国のクラッシックなタイのパリ風「解釈」のネクタイ屋がいくつかあって、私はソちらを好んだが、いまやそういう店も姿を消した、
はたしてわが国はどこらあたりにあるのか、ここしばらくのマーケテイング的につくられた「何とかイタリア」のせいで、イメージ上での「ナポリ風(!)」になっているのかもしれない、

しかし、1920~30年代においてはヨーロッパ各国の「クラス」のネクタイの選択は多分同じだったろうと思う、30年代から少し様子は変わってくるが、20年代についてはかなりはっきりとそれが云える、




何故ならば、もともと「クラス」の人種が絞めるべきタイにはそう種類がなかったからで、極論すれば、スペシャルオケイジョン(フォーマル)以外は、タウンスーツ用の「クラブタイ」、「スピタルスフィールド」、とカントリー、スポーツスタイルの「ウールタイ」しかなかった、


この根底にあるのは、古と現代での「スーツの着こなし」についての「考え方」の違いなのだと思う、
誤解を恐れずにいえば、もともとのクラッシックワードローブの「着こなし」とは、「どういう服を仕立てるか」に主眼があった、主役はスーツ(もっと云えば、その本人)、もっとハッキリと云えばその「仕立」てにある、
しかし、現代になって、それが既成やパターンオーダーという「仕立て」で勝負できない、或いは「永遠性のない」服が主流になってから、同じ服を「Vゾーン(あまり好きな言葉ではない)」の変化、或いはそれを「目立たせる」ことによって「着回す」(これも、どこか根本的に勘違いしている)という理屈に変わっていった、





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これは、古のダンデイたち、例えばあの独特な「コーデイネート」で知られるウインザー公においてさえ、そのワードローブや、写真を見る限りタイ自体は驚くほど限られた数種しか身につけていないことでもわかる、
(このブローニュのウインザー公邸のワードローブを見てもわかるように、あくまでクラッシックな柄への拘りと意外なその数の少なさがわかる、)




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上の写真でもわかるように、公のシャツとタイのひとつひとつは当然クラッシックなモノしか組み合わされていない、しかしそれが微妙にズレていてグラマラスなのだ、
そして公のタイで最も活躍しているのが「スピタルスフィールド」といわれる、細かい格子のものだ、これは小さな柄が均等に並ぶものをいまや大きく捉えて「スピタルスフィールド」と呼ぶようになってしまったが、最もクラッシックと言えるのは、2色の細かい格子で、色もブラック&ホワイト、ネイビー&ホワイトなどのごくシンプルなものである、



b0151357_2252648.jpg多くのダンデイたちに愛用された、この極くシンプルなタイは、しかし、オールマイテイである、(写真、本物のスピタルスフィールド ビンテージタイ ウィーン製ハンドメイド、チップ(裏地)のない、芯地もシンプルな古のつくり、ただし上質なシルク)



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ホルストが写真に納めた伯爵はチョークストライプの魅惑的なスーツに合わせている、ウインザー公は大胆なプレイドスーツやネイビースーツなど様々なワードローブに活用している、このタイは不思議にどのスーツにも納まり良く、ダンデイたちのスタンダードだった、
ただし、このタイは「ナポリ風」などにはしないことだ、あまり太いのもいけない、それはヤボの極みだ、できればセルフチップ(裏地が共布)でない、少しく控えめに細めのシンプルなつくりのものが良い、ただし絹は最上等で、






「スピタルスフィールド」がシンプルなダンデイズムだとするならば、より華やかなものが「クラブタイ」である、これだけは、どんなに大胆な色あわせのものでも許された、

b0151357_315529.jpgなぜならば、文字通りクラブやレジメンタル、或いは出身校などその出自をあらわすものだったからだ、私の記憶では、多分70年代までは、本当にクラブタイをジャーミンストリート、或いはバーリントンアーケイドで買うときにはその資格があるかどうか証明を求められたと思う、
(写真は、A. Sulka & Co.のシュルカシルクを用いた未使用のビンテージクラブタイ およそ100本、100柄ある ¥14,000~)
b0151357_3164219.jpg幸いにも我々は、いまや出自に関わらず好みの柄を身につけられる、


「クラブタイ」で秀逸なのは、やはりA. Sulka & Co.の50年代までのものである、


これらは、アメリカ(或いはパリ)向けに、リヨンの自社ミルで織られた「シュルカ シルク」を用いてハンドメイドでつくられている、
特に、アメリカでは「レップタイ」と呼ばれることが多い、レップというのはストライプ柄のことと誤解されやすいが、その織り方、畝織りのことをいう、このシュルカの「レップタイ」が英国の「クラブタイ」より好みなのは、先ず絹の質が英国より良い(シルクの織りもまた、当たり前だが地域、時代で変遷している)ことと、この時代のものはストライプが秀逸だということにある、つまり、本場のものよりは、ソフィスケートされている、

しかし、この時代以降のものになると、妙にストライプが「デザイン」され過ぎていて、ウソっぽくなる、
このネクタイのもうひとつの名を「オールドスクールタイ」(いささか「説明しすぎ」だが、念のためにいうと「オールドスクール」という言葉は、歴史のある学校の出身者である=由緒ある家柄という意味である)というけれど、この「オールドスクール」らしさが匂うのが、このタイの肝なのだ、残念ながら、今、店頭に並んでいる「デザイン ストライプ」タイは、単なる面白いストライプタイであって趣を感じさせてくれる「オールドスクールタイ」ではない、




決まったクラブ、出自の由来を持たない我々が、この「クラブタイ」、「オールドスクールタイ」を選ぶ「コツ」をお教えしよう、

コトは極めてシンプル、まっとうなクラブタイ(ここが大切)のなかから、とにかく自分で気に入ったモノをひとつ選ぶ、そして、それをスーツの色、柄に関わらず、どれにでも合わせ愛用し続けること、

いつしか周囲もそのタイをあなたの代名詞のように認めはじめるだろう、さすればシメたもの、それは既に「貴方というクラブ タイ」である、もう大威張で愛用することができる、幸いにもご子息に恵まれているなら、「これは、我が家のクラブタイである、」と引き継いでも良い、3代ほど経ればそれはもう立派な「オールドスクールタイ」といえる、


冗談ではなく、「スピタルスフィールド」も含めクラッシックタイの着こなしの本質はそこにある、「Vゾーン」の「変化」で「着回し」をするというモノとは別次元にある、
そして、それが「スタイル」と呼ばれるもので、スタイル、スタイル、という人ほど、実は「ファッション」に惑わされていて、「量」は持っていても「スタイル」を持っている人は少ない、


「タウンスーツ」に合わせるべきクラッシックタイは、ただこれだけである、そして、実はこれだけで事足りる、











「ティラー六義」
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copyright 2009 Ryuichi Hanakawa

by tailorrikughi | 2009-01-11 17:47 | ■The Art of tie

The Art of Tie クラブタイ




TAILOR CLASSIC



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スーツにはどうしてもタイが必要で、しかし、なんでも良いわけでもなく、その昔は、紳士が愛用すべきネクタイの種類は限られていました。ひとつは、千鳥格子、それにスピタルスフィールドと呼ばれる、特には細かい格子織りのもの、そして、その人の出自を表すクラブタイ。


ペイズリーなどもありますが、あれは田舎のもので、ロンドンなどの都会での昼の装いといえば、このクラブタイというのが定番でした。他のタイに比べると、色の組み合わせが驚くほど大胆なものもあります。昔のイギリスはけっこうタイにうるさい社会でしたが、このクラブタイに限ってはいくらハデな色あわせでもオーセンテイックなものとして許されていました。


ものの本には、「クラブがないアメリカにこのタイがわたって、ストライプの方向を変えてレップタイと呼ばれた」とありますが、知らないだけで、当時、アメリカにも社交界はありましたし、ボーデイングスクールもあれば、アイビーリーグもあり、近衛兵はいませんが、ニューヨークやボストンなど都会にはジェントルメンズクラブも数多くありました。






要は、他のものと同じように、規範がくずれて、タイもファッションアイテムになったということで、これは良い反面、個人のセンスを問われるというやっかいもひとつ増えたといえます。私は、タイの柄ぐらいは規範のなかで、そのかわり質の良いものを締める程度で良いように思いますが、、、。いま、「トレンデイ」と呼ばれる店先に並ぶタイは、クラッシックなスーツに合わせるにはフェミニンすぎるように思えます。



いまや、いろんなおもしろいタイがありますが、昼の装いとしては、このクラブタイ=ストライプタイが、一番オーセンテイックで合わせやすいと思います。ただ、プリントのものよりは、織りのものを選ぶこと。
それと、どう説明すれば良いか難しいところですが、できるだけ本物に近いストライプの組み合わせを選ぶこと。ある種のファッションブランドのものは、色がきれいだといっても変です。













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by tailorrikughi | 2008-06-26 14:12 | ■The Art of tie