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Classic tailoring 9. / Silk Dupioni & Lux Silk Wool



TAILOR CLASSIC   
21st Century
Idea



Corrrect Style & Timeless Quarity
Style
Style |  Dupioni ノスタルジックな贅沢 




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「デュピオーニ  ノスタルジックな贅沢」

DUPIONI、、、デュピオーニと呼ばれる少しネップがはいったシルクで仕立てられたスーツは、古の紳士のクラッシックなワードローブの一着でした、ただ「一着」といっても、贅沢な一着です、極めて貴族的なコノシュアーなものです、

このデュピオーニというシルクは、優れた生地で、意外にシワになりにくく、なにより上質のウーステッド以上に美しいドレープを生み出します、この仕立てて美しいドレープを生み出すところが特徴で他のシルクとは違うところです、つまり極めてしなやかで、身体になじむのです、

そして、タイトに織られたウエイトのある絹独特の味のあるタッチと、紬に似たつやを消した品の良さ、しかし光の具合で豪奢な光沢もみせるところが、「最上のシック」と呼ばれる所以です、

ただ、最良のテーラリングでクラッシックなスーツを仕立てるべきです、

デュピオーニには様々な色がありますが、やはり一番お勧めしたいのは、品の良い「タン(ベージュ)」です、黄色味を帯びた明るいベージュから、少しおさえたダークベージュまで、この色でクラッシックなスーツを仕立てると極めて上品で、永遠の贅沢さを手にいれることができると思います、



b0151357_4295884.jpg私は、一時、このデュピオーニに凝って何着かスーツを仕立てました、
生地も、各年代、各ミルのものを捜し歩きましたが、やはりそれぞれで違っています、
いや、むしろ極く限られたミル、年代のものでしか本物には出会えません、厳しくいえば、それ以外は「もどき」です、
それは、このシルクの成り立ちに関係しています、


元来、このデュピオーニという変わった生地の名前は、イタリア語のドッピオからきています、つまり「ダブル」ということです、なにがダブルなのか、

このデュピオーニは、繭のなかに蚕が2匹いるダブルコクーン(2重の繭)のみからつくられるのです、一種の奇形です、いまは、人工的にそうする方法があるのかもしれませんが(定かではありません)、昔は全く自然に従ってそうした奇形のみを集めてデュピオーニが織られました、


ダブルコクーンは通常の繭よりも大きく、紡いでいくと一個の繭でほぼ1キロメートルという長さになります、つまりウールとは比べ物にならないほど「繊維」が長いのです、繊維の長さは丈夫さに繋がります、しかも、2匹の蚕による天然の2plyの撚糸ですから、糸自体に自然が与えた丈夫さとしなやかさが宿っているのです、これがデュピオーニの秘密です、



そして、この2匹の蚕が紡ぐ糸はそれぞれで、当然微妙に厚みが違ったりします、天然の2plyで撚られたこのランダムな糸の厚みの差が、あの味わいのある不定形、不規則なネップ=スラブを生み出していくのです、

スラブの有り様は蚕たちの糸次第、だから、同じ生地はふたつと存在しません、コンピューターにはできない天然のスラブなのです、


そのスラブは、ときに微細で、ときに大胆に生地に盛り上がりをみせます、それが、この生地に一種の「エレガント」な「野趣」という表情を生み出します、

私がデュピオーニに魅かれてやまないのは、この「エレガント」と「野趣」をあわせもった、優れて天然の素材であるからかもしません、

つまり、コンピューターやデザインでは生まれない「優雅」です、その意味では、時代遅れの=ノスタルジックな贅沢さをもった素材といえます、
デュピオーニは、仕立てるにも織るのにも手間のかかる素材でもあります、本物のデュピオーニは幅の狭い生地しか織れません(横幅が75センチ、通常のウールは150センチ)、シングルの2ピースのスーツを仕立てるのに、約5000個のダブルコクーンが必要といわれます、






「シルクは人間の皮膚にもっとも近い素材,それが21世紀スタイルにふさわしいと思う」

デュピオーニのスーツは、そのドライな生地の表情からクラッシックワードローブにおいては春夏のものとされていますが、色によっては通年を通して愉しんで良いと思います、

デュピオーニという素材は述べてきたように、非常に優れた素材で、味わい深い表情を持っています、これを機会に少し「シルク」という素材を探ってみましょう、

いままで、「シルクのスーツ」に慣れない我々は、単に成金趣味と捉えて多くの誤解を持っていたようです、

例えば、シルクは「弱い」、「ケアに気を使う」というのは誤りで、冒頭述べてきたように、素材のなかでも極めて繊維の長いもので、コットンやウールよりも強度があります、しかも吸湿性においてはコットンの1.5倍で、なおかつ余分に吸った湿気の放出性にも優れています、つまり、汗をかいてもすぐに吸収、放出してくれるので快適さを維持できるということです、これは他の素材と大きく違うところで、デュピオーニがウオームウエザーの最良の素材として重宝されたのにも理由があるわけです、



また、その吸湿性の高さは生地に静電気を起こりにくくして、埃を吸いにくく、実際に手持ちのウールとデュピオーニのスーツを比べるとその違いが歴然としています、そう云えばシルクのスーツにブラシを当てたことがない、
埃がつきにくいのは日常のケアに手間がかからないだけでなく、身体にも優しい素材だということです、
元来、シルクは、蚕が作り出すアミノ酸が組み合わさったタンパク質でできた、つまり最も人間の皮膚に近い素材です、探ってみると、そのほかにも「燃えにくく」、なんと「紫外線の遮断効果」もある(天然のUVカット素材!)


日本人が古来から絹の着物を好んだのは実に優れた選択で、私は、21世紀スタイルの素材として、最も人間の皮膚に近く、美しいシルクはもっと見直すべきものだと考えています、







b0151357_3391459.jpg■ 「タンベージュ」 Classic Choice
最もお勧めしたい「タンベージュ」です、
独特の上品さと贅沢感があります、




b0151357_3405448.jpg■ 「ベージュ」 Classic Choice
これも良い色です、「タンベージュ」よりは控えめで、
ビジネスシーンにも抵抗はないと思います、
光沢の出具合で不思議な質感を見せます、


b0151357_6485170.jpg■ 「トープベージュ」


b0151357_6172089.jpg■ 「ブラウン」


b0151357_650660.jpg■ 「エレファント グレイ」 Classic Choice
何故か、デュピオーニに限っては、この象のグレイと呼ばれるクラッシックなグレイが好まれます、このグレイでなければいけないとさえ云われていました、
たしかに、上品な色です、



b0151357_651368.jpg■ 「ステイール ブルー」 Classic Choice
個性的な青ですが、クラッシックな「指定色」です、
すこし、グレーがはいった落ち着いた青です、



b0151357_6515432.jpg■ 「ネイビー」


b0151357_6524647.jpg■ 「ミッドナイトブルー」
ミッドナイトブルーのデュピオーニは、いまや真冬を除いて年間を通じて着て良いのではないかとも思います、



b0151357_21382088.jpg■ 「クリーム」 Classic Choice
クリームも、実は古からデュピオーニの「指定色」でした、
トップの写真でチャールズ皇太子が着こなしているのも、この「クリーム」です、
これは、クラッシックな選択なのです、








「シルクウール  ノスタルジックな贅沢2」

デュピオーニが天然の贅沢さならば、「シルク&ウール」は人の知恵が生んだ賢い優雅さをもった素材です、私は、もっとこの素材を活用すべきだと思っています、

ウールの特性とシルクの特性(吸湿性に優れ、余分に取り入れた湿気を放出することにも優れ、最も細くて長い繊維であるため強い)をあわせもったこの素材は、美しいドレープを生み出し(仕立てにむいている)かつ独特の光沢を見せます、

ただ、やはり良い糸でしっかりタイトに織られた上質のものを選ぶべきで、質をともなわない、昨今のイタリア製のものなどは、かえってその光沢が安っぽく、品のないものに映ります、それらが、この「シルク&ウール」を誤解させ、その特質に気づかせないのだと思います、


正直にいって、私も当初は、さほど強い興味はありませんでした、「ウールは「ウール」の良さ、「シルク」は「シルク」の良さ、それで良いのではないか、

それが変わったのは、あるところでビンテージの「シルク&ウール」を見たときからです、
それらは、ただビンテージというだけでなく、素材の質として優れていました、まず、ウールの糸が良く、タイトに良く織られていました、タイトに織られたウールだけでも自然に良い光沢があります、加えてそれにシルクが混ざることで、たしかに、独特の光沢をもった「素材感」を見せます、なるほど、こういう次元まで良く織られると素材としての意味があるなと感じました、

つまり、「シルク&ウール」は「上質のもの」に限って面白いと思います、そういうものは、ウールの量感とシルクの優雅な光沢を併せ持っていて、これは、たしかに、単一素材にはない個性をもっています、

そして、もうひとつ、この素材には柄もののバリエーションが多く、探すと非常に凝った織りと色彩設計のものがあります、これも、この素材の見逃せない魅力です、





b0151357_341465.jpg■ 英国製「ビンテージ シルク&ウール プリンス オブ ウエールズ」
これは、非常にタイトに織られています、美しい色だしだと思います、ブルーと渋いエビ茶が遠目にみたとき素直で上品な調和を見せます、上手い色彩設計だと思います、ウールの質感も残っています、しかし、その光沢はなめらかな絹そのものです、

クラッシックなプリンス オブ ウエールズも、シルク&ウールにすることで、表情が全く違ってきます、
 




b0151357_3423186.jpg■ 英国製「ビンテージ シルク&ウール 変わりプレイド」
面白い織りです、ブルーのオーバープレイドが立体的に織られています、 




b0151357_13435863.jpg■ 英国製「ビンテージ シルク&ウール 」



b0151357_1701371.jpg■ 英国製「ビンテージ シルク&ウール 」




b0151357_13585944.jpg■ 英国製「ビンテージ シルク&ウール 」





b0151357_6583276.jpg■ 英国製「ビンテージ シルク&ウール 」



b0151357_722884.jpg■ 英国製「ビンテージ シルク&ウール 」





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■ 英国製「ビンテージ エクストラファインメリノ & シルク」

メリノウールという表示のある生地は時々見かけます、ただ正直にいって質の差があるように思えて仕方ありません、これは、わざわざ「EXTRA FINE MERINO」と表示されているだけあって、確かに糸が良いと思います、それにシルクが組み合わされているので、タッチがカシミアに近い極めて柔らかいものになっています、

ただ、ウエイトもあり、タイトに織られていてスーテイングの生地として相応しく、この柔らかさは仕立てると美しいドレープが生まれると思います、面白いのは、細かい綾織になっていて横糸にコーヒーブラウン、縦糸にベージュが織り込まれていて良く見ると味のある濃淡を生み出しているところです、シンプルですが表情豊かな生地だと思います、





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■ 英国製「スーパー120`sウール&シルク」

これは、色が秀逸で、ブルーとグリーンが混ざった綺麗な発色のハウンドツースです、ハウンドツースの大きさとしては、細かいスーテイングに適した大きさです、
上質のスーパー120‘sとシルクの組み合わせは、シルクジャガードを思わせる量感のある光沢をもっています、
ウインザー公が、このような明るい細かいハウンドツースで4つボタンのダブルブレステッドを仕立てて、コットンの蝶タイを結んでいたのを思い出します、


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■ 英国製「ビンテージ シルク&ウール」
これも糸の良いウーステッドとシルクの組み合わせで、タイトに織られていますが非常に柔らかく仕上がっています、
ビスケットベージュの色が豊かで、華やぎのあるプレイドだと思います、箱ポケットのあるスポーツテイストのジャケットや、スエード(エクセーヌやファシルモなど日本が誇る人工スエードも優れた素材です)の肩あてや胸ポケットのあるシューテイングジャケット、膝丈のスポーツコートなど優雅な時代を思わせるカントリークラッシックを仕立てても面白いと思います、













「ティラー六義」
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by tailorrikughi | 2008-11-18 00:50 | 9.Silk Dupioni