カテゴリ:10.White FLannel( 1 )

Classic tailoring 10. / White FLannel Suits with double breasted waistcoat



TAILOR CLASSIC   
21st Century
Idea



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Art&ClassiC


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「ホワイト フランネル物語」

ホワイトフランネルは、元来はクラッシックなスポーツ服として、随分、着られていました、今の私たちにとってはフランネルというとそのミルドフィニッシュの生地感から秋冬のものと思いがちですが、ホワイトフランネルのトラウザーズはネイビーブレザーと合わせて夏の紳士の装いの定番でもありました、

ホワイトフランネルのトラウザーズの便利なところは、手持ちのスーツの上着のどれとでも合わせるだけで、スポーツスタイルに早変わりするという便利さと、またスーツのトラウザースがくたぶれ果てたとき(大概、上着よりもトラウザーズの方が先に痛む)に、このホワイトフランネルと合わせることが暗黙の了解として英国の着こなしのルールにあったからです、
昔は、イギリスの田舎の「ガーデンフェステイバル」などに行くと、古いスーツの上着に、ホワイトフランネルのトラウザーズを合わせたお爺さんをよく見かけたものです、
そうやって、トラウザーズが痛んで着られなくなったスーツも、上着として生かして愛用し続けたのです、昔の英国はそういう国です、
それに、なるほど、白いフランネルは夏生地でも秋冬ものでも、ストライプでも無地でも大概の生地に合います、


だから、紳士のワードローブの必需品でした、20世紀半ばまでは、

ところが、いまや上質のホワイトフランネルを探そうとしても見当たりません、嘘っぽい女物めいたものはときどき見かけますが、これはお話にもなりません、出自の良いものは皆無です、

ほとほと苦労して、ついに、織らせることに決めました、どうせ織らせるなら理想のものをと思い、チョークのフランネルと同じ、ラムウール95%とカシミア5%のコンポジションで、ヨークシャアの本格的なフランネルで300gで織らせることにしました、

ホワイトフランネルは、スポーツファブリックですが、育ちの良い、品の良さがあります、他の素材と違う表情をもっています、コットンではカジュアルすぎます、トロピカルウールではあのスポーツテイストがでません、コーデユロイやモールスキンには、あの軽やかさがありません、スポーテイだけれども、少し贅沢感のある、「良家の子女」といった雰囲気があります、

実際、織りあがった生地は、思いのほか質がよく、ホワイトカシミアを思わせるほどのタッチと、軽さもあります、ただし、ミルに言わせると、これはエクリュ(オフホワイト)だそうです、いまは、純白=ホワイトをつくることは難しいそうです、歩留まり、生産ロスもあるのでしょう、

しかし、充分、納得できる仕上がりで、かえって純白より、仕立てたときに落ち着いて納まります、


300gという重さは、当初、少し軽いかなと迷いましたが、正解でした、私はこれで仕立てたトラウザーズを一年中、愛用しています、2月のニューヨークでも、キャメルのブレザーに合わせて街に出ましたが問題はありませんでした、ただ、70年代後半につくった裏が総毛皮張りのコットンギャバジンのコートを着ていましたけれど、、、


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b0151357_1535168.jpgホワイトフランネルは随分探しました、色々なミルのものも見ましたが、タッチが気に入りませんでした、妙にザラつきがあって、スポーツファブリックというのは分かるのですが、今の気分としては、違うように思います、

とも布で、ハンチングもつくろうと考えていましたので、21世紀のタウンに相応しいのは、タッチがすべらかで、軽くかつタイトに織られていて、優しく贅沢でソフトな表情のものが良いと考えました、

これは私の経験を踏まえた「偏見」ですが、いま世界でまともなフランネルを織ることが出来るのはわずか一軒のミルです、しかも、フランネルは極めてクラッシックな生地、つまり古臭い生地なので、ウーステッドと違って後退していることはあっても、「進歩、改良」されていません、

正直にいって、その一軒のミルで手間を惜しまず、特別、念入りに織らせるしか優れたフランネルは手に入らないと思います、残念ながら、そのミルのものでも通常のもの、或いはビンテージといわれるものはさほどではありません、フランネルに関しては入念に織らせるというのが私の結論です、




b0151357_154392.jpgホワイトフランネルのスーツは、ダンデイズムの匂いのする、ピークドラベル、段返り、ウエストコートはショールカラーのダブルブレステッドに仕立てました、
肩は、わざと少しステートメントショルダーにしています、

スポーツテイストですので、ピークドラペルもわざと尖らせないで、小丸に、縁から少し内側に「立体的」なハンドステッチを施しています、

シルエットは、30年代のエスクワイアのイラストのように少しアメリカンテイストを入れた、イングリッシュドレープに仕立てています、



b0151357_1552095.jpgこの少しアメリカンテイストというのがポイントです、
30年代のアメリカ(とくにニューヨークを中心とした)の「イングリッシュドレープ」の解釈には独特の格好良さがあり、クラッシックでエレガントなのですが英国に比べるとスタイリッシュです、
英国のカッターでも、趣味のある人はわざとそうしたテーラリングをとりいれたりします、
それは、ウインザー公の影響もあると思います、ある時期からの公のスタイルは厳密に言えば英国元来のクラッシックではありません、



b0151357_2222961.jpgマスキュリンな後ろ姿、、
これはスポーツスタイルですが、クラッシックというのは奥が深く、同じピークドラペルのシングルスーツでも、サー・イーデンのようなエレガントでクラッシックな英国のタウンスーツ、まさしくイングリッシュドレープのスタイリッシュなタウンスーツ、カントリーテイストのピークドラペルのツイードスーツなどテーラリングのバリエーションがあり、それぞれで、プロポーションとデイテールのつくりが違っています、六義ではダブルブレステッドとシングルではピークドラペルの形そのものも違えています、




b0151357_1824579.jpgライニングは温かみのあるオフホワイトの量感のあるシルク、裏地を選ぶときは色や柄だけでなく、量感や質感の相応しいものを選びます、
これは、ホワイトフランネルの質感とあわせて少ししっかりとしたシルクを選んだ、シンプルに見えるけれど、けっこう探すのに苦労しました、










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by tailorrikughi | 2008-12-01 15:08 | 10.White FLannel