The Collection / 「ストライプの研究」 1. EXECUTIVE Stripes






TAILOR CLASSIC   
21st Century
Elegancy


Art&ClassiC

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「ストライプの研究」
title copyright 2009 MOMOTOSEDO, Ryuichi.Hanakawa.
EXECUTIVE STRIPES



私は、「ストライプ」を研究しています、

当初は、「100年素材」の研究にあわせて、もっと味わい深いストライプが歴史の中に埋もれているのではないかとウっかり入りこんでしまったのが何かの定め、探っていくと、なかなか興味深い意味や事実、或いは謎が潜んでいてその路地のひとつひとつに迷い込んでいます、

ストライプの起源においても、ローマ時代の真っ直ぐに伸びる道から発祥したとか真偽のほども量りきれない様々な説が転がっています、その成果は、いつかご報告するとして、


ストライプのスーツは、男の定番です、ほとんどのスーツがこのストライプで出来ているといっても過言ではないでしょう、

しかし言い換えれば、「ストライプ」というのはそれだけに奥深く、私がコレクションを始めたときも、「数多い」だけに「質」と「柄」の良さを納得できるストライプは意外に「少ない」というのが正直な印象でした、

そして、ストライプはそのあり方で様々な顔をもっています、今回は、「エキュゼキューテイヴ ストライプ」、仕事をもつ男ならば、ビジネスなどで一番着る機会の多い、少しあらたまった席にも通用するストライプを研究してみましょう、この一着があればどこへでも、シリアスな装いが要求される場面でも心配なく通用します、

合わせて、「EXCUTIVE Style」の本質というのもそろそろ考えるべきです、、、



EXECUTIVESTRIPES | PINSTRIPES

今日の、「エキュゼキューテイヴ ストライプ」の代表と云えば、私は迷わず「ピン ストライプ」をあげます、

今でこそ、保守的な印象を受ける「ピンストライプ」ですが、
b0151357_22123492.jpgストライプが男の服の代表として愛用されはじめたのは、多分1930年代になってからだと私は思います、それまでは、やはり「黒」や無地が主役でした、

たしかに、ヴィクトリアンの時代にも、右のストライプの4つボタンのスーツに身を包み、ホンブルグ帽を被ったなかなかダンデイなエドワードⅦ世などの姿も残っていますが、それは、一種の「くだけた」スタイルだったように思います、事実、エドワードⅦ世のこの1900年スタイルのスーツは「Blazer」と呼ばれていました、 


やはり、第一次大戦以前の男の装いにおいては「柄物」は公の場では控えるものでした、
第一次大戦を境に「装い」はその背景となる社会構造とともに転換し、バリエーション豊かな「柄物」もタウンスーツとして市民権を得ていきます、第一次大戦から第二次大戦までの間が今に繋がる男の装いの「モダン」なクラシックの黄金期であるところは周知の事実です、






PINSTRIPES 




いつ頃から「ピンストライプ」が、最も保守的なストライプとして認められ始めたのか、何故、チョークストライプやペンシルストライプではないのか、、、

ピンストライプの「起源」については、様々な説があります、その中で私が好きなのは、仮縫いのときの縫い目の「美しさ」に魅せられて織られたというものです、この感覚は好きです、事実、ピンストライプは縫い目のようにピンヘッドが途切れながら入っている、最も「目立たない」ストライプです、

チョークストライプ好きの私としては、味わい深いチョークでも良いではないかと思いますが、仕立てると、なるほど、ピンストライプはストライプの印象が控えめで、よりフォーマルに見えて、しかし、ストライプに違いないことは、垂直の線が全体をスッキリと印象づけ、背もすらりとして見せます、



そして、このストライプは、上品に控えめではありますが或る種の権威、「デイグニテイー」を感じさせます、それも、ペンシルストライプの細かろうが「目立って」しまうのと違って、これを選んだことの思慮深さとか、慎重さを潜ませていて、そこが特にエキュゼキューテイヴが好むところなのだと私は思います、

事実、この柄は富と権威に恵まれているが「目立つ」ことを好まない、アッパーイーストのコープに住むニューヨークの名門家系や、ヨーロッパのアッパークラスに根強いファンを持ち続けています、

そして、こういう人たちが選ぶのは、決まって「ダークネイビー」の控えめですが「最上等」のピンストライプです、その最上等の「控えめな」生地を、「最上等」の仕立てでスーツにすると云うのが「やり方」です、いかにも、「手抜かり」のないビスポークの王道です、


その「エキュゼキューテイヴ スタイル」の仕立てにも、ある種の「決まり」があります、



PINSTRIPES 



「エキュゼキューテイヴ スタイル」の仕立方については、アトリエでご説明するとして、ではこうしたスーツが「地味」かというと、(そういう仕立てであることが前提ですが、)かえってオーラーを持っています、

「ビスポークの王道」というのはそういうことです、逆にいえば、「仕立て」が要です、熟練したテーラーなら、クライアントが何を望んでいるのかは知っています、

「ダークネイビー」のピンストライプは、遠めではストライプはかすれて見えて無地に「近く」見えます、しかし、ストライプであることは「かすかに」分かります、ここが、ペンシルストライプとは明らかに、違います、ここら辺りが、この生地の上品さであり、存在価値です、

そして、「ダークネイビー」という色です、同じ呼称でも、やはり生地によって色のニュアンスは「かなり」違ってきます、、、


Vintage 1980`s English
Dark Navy Super 140`s & cashmere
`Ultimate`

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「ダークネイビー」は、かなり「黒」に近い色です、ただ、「黒」ではなく、「ミッドナイトブルー」でもありません、(写真は光の当たり方で部分によって色が違います、写真の上の辺りが、実物に近い色でしょうか)
そして、その「ダークネイビー」には「上質」を感じさせる(生地の上質さを伴った)「品格」がありたいものです、
そして、「古式にのっとた」ピンストライプであるのはもちろんです、これが、ペンシルストライプとは違う「品格」をやはり生み出します、

そうした、「理想」のダークネイビーのピンストライプを探して出会ったのが、この英国製の「super140`s & Cashmere」の「Ultimate」と名づけられたピンストライプです、



b0151357_516235.jpg80年代から90年代はじめにかけて、私は贅沢な生地に夢中になりました、

極く、私見ですが、この時代が「贅沢な生地」としては、バランスも良く、チャレンジの方向性も良かったのではないかと思います、
そういうものは、大概、super120`sから150‘sの良い糸にカシミアや、時にはチンチラ、ミンクなどを混ぜたものです、こういうコンポジションが定着し始めたのもこの頃だと思います、


この時代はまだ、仕立てのことを考えれば行過ぎた高番手はどうなのかなあ、という雰囲気が生地を扱う人にもあったように思います、事実、ロンドンの生地商の古株のお爺さんは、「贅沢なものを探すなら、super120`sの上質な生地を探した方が、服の仕立ての美しさを考えても良いと思う、
生地の光沢はsuper120`sあれば、後は同じようなものだから、」とアドヴァイスをくれたほどです、それに、当時は、super150`sまで行くと、「色」も「柄」も「織り」もやはり保守的なものになり、種類は限られていました、super120`s辺りが、バリエーションも豊富だったと云うこともあります、

この時代は、番手もsuper120`s、130`s、140`sと細かく分かれていました、「贅沢な生地」として織られましたから、糸が極めて良く、まだ古い織機でゆっくり、しっかり織られています、
この「ULTIMATE」のsuper140`sも、確かに良い糸だと思います、しっかりタイトに織られていて、仕立てに適した質ももっています、タッチはほとんど「カシミア」で、光沢の美しさが贅沢です、或る意味で美しい仕立てを愉しむには、このあたりまでかなとも思います、



「スーパー140‘s & カシミア ダークネイビー "ULTIMATE" ビスポークスーツ」
 
(仮縫付き、フルハンドメイド)
¥360,000-(税込み¥378、000-)





Vintage 1980`s English
Dark Navy Super 100`s
`Double Pinstripe`

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ピンストライプを探していて、もうひとつ面白いものを見つけました、この英国製のムーアサイドの上品な「ダブル ピンストライプ」です、ただし、このダブルピンストライプも「ダークネイビー」ですが、上の「ULTIMATE」とは色が違います、こちらの方が青があります、ピンストライプは「ULTIMATE」と同じく、古式にのっとています、なにより、繊細なダブルピンストライプと質の良いsuper100`sが上品です、



b0151357_23275131.jpg先ず、ムーアサイドというミルです、これについては、正直言って不明です、

ただ、或る時期、良い生地を探し歩いていて何回も出会ったのがムーアサイドsuper100`sというラベルのついた生地です、
どれも、糸が極めて良く、デザインも上品で、生地によってはsuper120`sぐらいの質は優にあります、

とくに、3plyの某テーラーが特注したというサマーウーステッドなどは、非常にしなやかで高い質を感じました、それ以来、私はムーアサイドを見つけるたびに、文句なく手にいれることにしました、出来る限り集めたつもりです
大分、クライアントの手元へと出てしまいましたが、この「ダブルピンストライプ」も、極めて糸の良いsuper100`sで、非常に繊細な(「ULTIMATE」より、より細かいピンストライプになっています、このダブルの細かなピンストライプをダブル ビード ストライプと呼ぶこともあります、)ピンストライプが2本合わさった、上品なデザインで良く考えられています


昔のサビルローでも、贅沢な生地といえばsuper100`sを勧めていたように思います、それは、日常使いの信頼性と贅沢感の両方が備わっているという理由からです、
70年代から80年代の、そうしたsuper100`sは実に良い質をもっています、私が知るところでは、このムーアサイドのsuper100`sのシリーズ、そして経営陣が変わる前のウエイン・シールの「サビルロー 100‘s」のシリーズは実に質もデザインも高かったと思います、ムーアサイドが糸の良さとデザインの洒脱さ、ウエインシールのシリーズはデザインはクラッシックなのが特徴で、それを質の高い糸で織り出していました、この時代の「サビルロー 100‘s」シリーズのギャバデインは秀逸です、





「スーパー100‘s   ダークネイビー "Double Stripe" ビスポークスーツ」
 
(仮縫付き、フルハンドメイド)
¥350,000-(税込み¥367、500-)








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「ティラー六義」
中央区銀座一丁目21番9号
phone 03-3563-7556 e-mail bespoke@rikughi.co.jp(appointment required 完全予約制)

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copyright 2008 Ryuichi Hanakawa and Rikughi Co.,Ltd.

by tailorrikughi | 2009-05-09 13:17 | 11.ストライプの研究 Ⅰ
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